東京カテドラル聖マリア大聖堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京カテドラル聖マリア大聖堂(とうきょうかてどらるせいまりあだいせいどう)は、東京都文京区関口にあるカトリック関口教会(1900年創立)の教会堂で、カトリック東京大司教区の司教座聖堂(カテドラル)である。聖マリア大聖堂という名称は聖堂が「無原罪の聖母(マリア)」にささげられていることに由来している。
1899年に建った最初の聖堂は木造でゴシック様式の建物だったが、1945年の東京大空襲で焼失。現在の大聖堂は建築家丹下健三の設計になり、1964年(昭和39年)落成。ドイツのケルン教区の支援により建設された。
上から見た形は十字架型で外装はステンレス・スチール張り、鉄筋コンクリート造である。構造自体は全く違うものの、曲線を多用した壁面など外観の形状は丹下の同時期の作品である国立代々木競技場との相似がよく指摘されるところである。壁面にはさまれた細い側面には、それぞれ上部に黄色を基調としたステンドグラスが入れられている。内部は床面に化粧大理石が貼られ、内陣奥は数段の階段をはさんでやや高くなっており、ステンドグラスの前に巨大な十字架を据えた作りとなっている。現在のパイプオルガンは2代目で、2004年に完成、同年5月に公開された。
地下に納骨堂および小礼拝堂を持ち、聖堂脇には鉄筋コンクリート製の鐘楼がたつ。聖堂内の一角にはドイツ・ケルンのイエズス会から寄贈された聖フランシスコ・ザビエルの「胸像」が展示されているが、正確に言うとこれは聖遺物容器である(聖堂内の別の一角には、寄贈を証する日独併記の文書も掲げられている)。さらに教会の敷地奥方にはルルドの洞窟を模った岩石に立つ大きな聖マリア像がある。