植芝理一
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植芝 理一 (うえしば りいち、Ueshiba Reach または Riichi Ueshiba、男性 1969年9月4日 - )は、日本の漫画家。
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[編集] 略歴
幼少の頃から落書きをするのが趣味で、一浪後して入学した早稲田大学文学部在学中は漫画研究会に所属しており、この時期から漫画を描き始める。在学中にデビューするも代表作である『ディスコミュニケーション』の連載を『月刊アフタヌーン』で開始し、執筆活動のため卒業論文に手がつかず留年を繰り返し除籍を受けるが、卒業する気は無かったようである。
1991年、『週刊モーニング』にて『ディスコミュニケーション』でコミックオープンちばてつや賞一般部門受賞。主に『月刊アフタヌーン』を中心に活躍している。麻雀好きで、名前の由来もそこからきていると思われがちだが、作者曰くこれは誤りであるらしい。YMOのファンでもあり、その影響が作中に見られる。『夢使い』は、2006年4月よりアニメ放送開始。現在は読み切り作品であった『謎の彼女X』を『月刊アフタヌーン』で連載中。
[編集] 作風
作品の特徴として、ストーリーの練り方や絵の描き方において非常に個性的かつ独創的であることがあげられる。民俗学からアニメまで多岐にわたる豊富な衒学的知識を各所に散りばめられているのも特徴である。
『精霊編』『夢使い』以降の作品は、『おジャ魔女どれみ』や『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』などのアニメ、特撮の影響を大きく受けており、登場するキャラクターやストーリーなどが度々垣間見れる。絵柄も初期の頃と比べ大きく異なる。
作品のテーマの傾向としては、主に「愛・存在」など宗教哲学的なテーマをストーリーに盛り込む傾向が多く、その2つはお互いに複雑に絡み合っていたり、単体だったりする。
愛のみを描く場合、マイノリティ(少数的)の愛の形を取り上げる。それは同性愛だったり男装・女装癖、両性具有、近親相姦、食人、ロリ、ショタ、猟奇的など多様であり江戸川乱歩を思わせる。作中では作者や担当編集者が登場することは多々あり、このようなフェティシズム的展開に対して自分を変態であるように描く場面も見られる。テーマを語る際、モチーフに少女(幼女)を扱うことが多く、ロリコンではないかと思うほどであるが、本人は否定している。
「存在」を描く場合、主に愛と絡めて描かれることが多い。これは人間は根本的に他者との関係の中で存在するという一般的な法則から考えれば当然とも取れることであるが、彼の場合単純に他者の愛を確認することで存在を確認して終わりになるような昨今ありがちな単純なストーリーにはならない。「主人公が何故自分は存在するのか」、「何故ある人物を好きになるのか」をとことんまで追求し続けていくのである。
その際に、インド・東南アジア・中国・日本などの様々な神話(日本神話)や民俗学や心理学などの要素を巧みに取り入れ、真理に近づきつつも全てを説明はしないという手法を取っている。これは同時に画面の効果としても派手で、見て面白いものになっている。具体的には神社や狐の御面などの神道的とも取れる概念を象徴としたシーンが多い。
[編集] 絵柄
前節の最後でも触れたが、彼の漫画には東アジアの様々な神話的シンボルや、心理学に於ける概念を具象化したものが登場する。それ自体があまり見慣れないものである上に、そういったものが画面中にところ狭しとごちゃごちゃになって並んでいるのである。そして、一つ一つが異常なまでに細部まで描き込まれている(ただアシスタントは使用していない)。
これは漫画の中のシーンだけでなく、扉ページなどでもつい同じページをずっと眺めてしまうような情報量が込められている。キャラクターはある種の記号的な漫画表現のような、無駄の無いシンプルな造形をしている。カラー作品はフォトショップで仕上げている。
[編集] 作品リスト
- ディスコミュニケーション(1992年~2000年9月号連載、全13巻)
- ディスコミュニケーション 学園編(全1巻)
- ディスコミュニケーション 精霊編(全3巻)
- 夢使い(全6巻)
- 謎の彼女X(2004年10月号掲載、2006年5月号より連載中)
- CGイロハのイ(全1巻、絶版)