歌舞伎町ビル火災
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歌舞伎町ビル火災(かぶきちょうビルかさい)は、2001年9月1日に東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビル「明星56ビル(みょうじょうごじゅうろく-)」で起きた火災。44名が死亡する日本で戦後5番目の大惨事となった。現場検証によると、ビル内の避難通路の確保が不十分であったことが多くの死傷者を出すに至ったことが分かった。出火原因は放火の可能性が高いとされるが詳細は不明。
出火地点はビル3階のゲーム麻雀店のエレベータ付近から出火、建物の3階と4階のキャバクラの防火扉が開いていたため(酒瓶やお絞り、さらにはモップなどで階段が塞がれていた。その為防火扉は作動する状態ではなかった。)この2フロアに火炎と特に煙の周りを早めたことが惨事を拡げた一因となった。事実44名の死者は3階の19名中16名、4階の28名全員が急性の一酸化炭素中毒で死亡したことがそれを物語っている。 なお、3階ゲーム店で助かった3名については事務所の窓から脱出した従業員のみ。
この火災を契機にして、2002年10月25日に消防法が大幅に改正された。
また、2003年2月にはビルのオーナー及びテナントの関係者など6名が 消防法違反、業務上過失致死の疑いで逮捕された。
なお、明星56ビルは火災後東京消防庁から使用禁止命令が出され、さらに犠牲者の遺族がオーナーらを相手取って提訴した損害賠償訴訟の過程で保全処分が出されたため、そのまま残されていたが、2006年4月18日に和解が成立したため、保全処分が解かれ、その後解体された。
この種の雑居ビル火災での惨事として、1973年5月28日に第6ポールスタービル火災が発生している。現場も同じ歌舞伎町である上に、適法ではない内装、防災管理の不徹底などで東京消防庁から警告を受けていた点まで同じであった。