水陸両用戦車
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水陸両用戦車(すいりくりょうようせんしゃ)は陸上のみならず、水上または水中においても行動ができる戦車である。主に上陸作戦や渡河作戦の際に使われる。水底を走行する「潜水戦車」と、浮上して走行する「浮航戦車」に分けられる。後者の場合、履帯が水上での推進力を生み出しやすいような形状をしている。
現代の主力戦車は、シュノーケルを装備すれば、水深3~5m程度の河川を潜水渡渉する事が出来る。
初期の水陸両用戦車の一つに、ドイツ軍がイギリス本土上陸作戦(アシカ作戦)のために開発したII号水陸両用戦車がある。II号戦車の車体後部のエンジン周辺を防水カバーで覆い、車体の側面に2個、または前後に舟形のフロートを装着した。推進力は履帯の回転により、水上での移動速度は10km/h程度だった。同作戦のためにIII号潜水戦車及びIV号潜水戦車も開発された。これはIII号戦車およびIV号戦車の車体の隙間を防水カバーで覆い(上陸後は内部から爆破して防水カバーを取り払い戦闘を行う)、エンジンの吸気・排気は逆流防止弁のついたチューブを水面のフロートまで伸ばして行い、水深15m程度の海底を履帯によって5km/hで進んだ。どれもフェリーボートで上陸目標地点沿岸まで運ばれ、そこから発進する運用が予定されていた。
イギリス本土上陸作戦には作戦中止により使用されなかったが、II号水陸両用戦車とIII号潜水戦車は一部改造の上で第18戦車大隊へと配属された。1941年6月よりのソ連に対するバルバロッサ作戦に投入され、ブク川渡河作戦で使用された。
また、太平洋での上陸作戦が多くなったアメリカ海兵隊向けに、浅瀬での行動が可能なように、エンジンのある車体後部から、巨大な吸気・排気用装置を上方に伸ばしたM4中戦車が作られた。また、イギリス軍ではパーシー・ホーバート少将指揮によって開発されたM4中戦車改造のシャーマンDDと呼ばれる水陸両用戦車をノルマンディー上陸作戦に多数投入したが、波浪により多くが水没した。(一説には豆戦車改造でもよかったのでは?との意見もある)
[編集] 主な水陸両用戦車
ドイツ
- II号水陸両用戦車
- III号潜水戦車
- IV号潜水戦車
日本
イギリス
- シャーマンDD:開発 1944年
アメリカ
- LVT(LVT(A))
ソビエト連邦
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