流血鬼
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『流血鬼』(りゅうけつき)は、藤子・F・不二雄の読切漫画作品。。1978年(昭和53年)「週刊少年サンデー」52号に掲載された。世の中が吸血鬼ばかりの世界になったらどうなるのか?と言う立場逆転の発想から生まれた作品。
目次 |
[編集] 概要
この物語では、ルーマニアから広まった謎の奇病によって、主人公たち以外の人物が吸血鬼だらけになってしまう。主人公たちは木の杭で吸血鬼を殺し廻り何とか吸血鬼たちに抵抗するのだが、吸血鬼(新人類)たちは自分たちの仲間を増やそうとしているだけであり、特に何者かに危害を加えようとしているわけではないのだ。主人公たちから見れば、吸血鬼(新人類)は敵であり、吸血鬼狩りは正義と感じているのだが、吸血鬼(新人類)側から見れば、自分達は仲間を増やそうとしているだけで、主人公たち(旧人類)の吸血鬼狩りを侵略行為と見なし「流血鬼」と非難している。ここにも、藤子・F・不二雄の価値観の逆転の発想が伺える。主人公たち(旧人類)から見れば、自分達は正義で吸血鬼(新人類)は「悪」と感じているが、吸血鬼(新人類)から見れば、主人公たち(旧人類)の行為は残虐な殺戮者そのものである。これは、現実の世界でも同じなのである。人間は異質なものを避ける動物でもある。自分とは違うものを嫌悪し、時には排除しようとする事もある。それが人種差別や民族紛争に反映されているのだ。所詮、物の価値観というものは、実際にその立場にならなければ分からないのである。ましてや善悪も同じなのである。自分達が頑なに否定してきたもの全てが「悪」と言う保証は無いし、逆に今自分が信じて疑わないことが「悪」でないという保障も無い事を考えさせられる。こういったテーマは、帰ってきたウルトラマンの「怪獣使いと少年」に通ずるところもある。
[編集] ストーリー
主人公の住む日本では、こんな噂が広まっていた。「ルーマニアから発生した奇病が世界中に広まり、日本にも広まっている」と。この奇病の原因は「マチスン・ウィルス」である事が分かり、その話題は雑誌やテレビなどのメディアを通じて大々的に報じられる。しかし、医学会では全面的に否定されてしまっている。やがて、「マチスン・ウィルス」は日本にも広まり、ある夜、吸血鬼たちが「マチスン・ウィルス」をガス状にして散布した。遂に吸血鬼たちのクーデターが始まったのだ、たまたま親友と釣りに出かけていた主人公は、親友と共に小さい頃に遊んだ秘密の洞穴に逃げ込んだ。そして、彼らは木の杭と十字架で吸血鬼たちに対抗するのだが・・・。
[編集] 登場人物
- 主人公
- 名前は不明。親友と共に洞穴に逃げ込み、吸血鬼(新人類)に抵抗する。
- 親友
- 主人公の友人。名前は不明。主人公と共に吸血鬼(新人類)に抵抗する。
- ガールフレンド
- 主人公のガールフレンド。名前は不明。吸血鬼(新人類)になり、主人公に吸血鬼(新人類)になるよう説得する。
[編集] テレビアニメ
2001年8月16日、日本テレビ系列の「週刊ストーリーランド」の枠内で放送。
[編集] キャスト
- 良太:関智一
- 渚:桑島法子
- 渚の兄:一条和矢
- 村の男1:菅原淳一
- 村の男2:中嶋聡彦
- 村の男3:小西克幸
- 村の男4:くわはら利晃
- 村の男5:千葉一伸
- 村の女1:幸田夏穂
- 村の女2:岡本嘉子
- 村の女3:小野未喜