潮匡人
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潮 匡人(うしお まさと、1960年-)は日本の軍事ジャーナリスト。帝京大学短期大学助教授、防衛庁広報誌「日本の風」(通巻6号で休刊)編集長。
早稲田大学法学部卒業。在学中は雄弁会幹事長を務める。同大学院法学研究科修士課程修了、法学修士。東京放送報道制作部契約社員を経て、1983年、航空自衛隊入隊(防大27期相当)。航空教育隊区隊長、第8航空団修理隊計器小隊長(築城)、同第304飛行隊付幹部、航空中央業務隊付(航空幕僚監部法務課)、航空総隊司令部(総務課法務班兼防衛課防衛1班)、防衛庁長官官房広報課(広報誌「セキュリタリアン」編集長)等を歴任。1994年、三等空佐で退官。
その後クレスト社に入社、書籍編集部副編集長を務める。同社退社後は国際研究奨学財団(現・東京財団)顧問、社会基盤研究所客席研究員などのシンクタンク勤務、聖学院大学政治経済学部コミュニティ政策学科講師、同大学総合研究所特任研究員兼非常勤講師を経て、現在は帝京大学短期大学助教授。
『諸君!』や『正論』、小学館発行の『SAPIO』などのオピニオン誌上で、日本の防衛意識、危機管理意識の低さを指摘しており、反戦平和思想を打破し、戦後忘れ去られた軍事の文化的、社会的意義や、その本質をもう一度捉え直さなければならないという持論を展開している。
上記の持論を反映して、「軍事学」の必要を強く論じる人間の一人である。「世界の名だたる大学では必ず開講している軍事学だが、日本の大学では平和学しか開講していない。だから自分が軍事学講座を開講する」と宣言し、小林よしのり編集の季刊誌『わしズム』に「若者の軍事学」を連載した。同連載では「軍事」という語源に始まり、軍服から派生したファッション、軍隊の実態に至るまでを論じた。
軍事的な問題のみならず、憲法改正問題や靖国神社参拝問題、北朝鮮による日本人拉致問題などの外交、政治上の時事問題について様々な提言を行っている。 2006年6月、「新しい歴史教科書をつくる会」から八木秀次が袂を分って設立した「日本教育再生機構」に参加。発起人。
2006年12月2日付の産経新聞のコラムにおいて、学校給食制度に対する批判を行った。この中で給食費とその他養育がいかに家計を圧迫するかを訴えた。
[編集] 著書
- 『最後の理性』(四谷ラウンド、2000年)
- 『アメリカが日本を捨てる日』(講談社、2000年)
- 『皆殺し複眼書評』(四谷ラウンド、2000年)
- 『長野県民は知らない田中知事の「真実」』(小学館文庫、2001年)
- 『テロの脅威が日本を襲う』(PHP研究所、2001年)
- 『北朝鮮の脅威を見ない人たち』(小学館文庫、2003年)
- 『常識としての軍事学』(中公新書ラクレ、2005年)
- 「わしズム」に連載された「若者の軍事学」の単行本