爆竹
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爆竹(ばくちく)とは、花火の一種。
[編集] 概要
この花火は、竹筒や紙筒に火薬を詰めて導火線をつけ、火をつけて爆発させ、大きな音を鳴らすもの。他の花火とは異なり、音を出す事を最大の目的としていて、見た目の美しい火花を噴出したりはしない。日中には破裂音とその破片が飛び散る様を楽しみ、夜間では連続して破裂した際の音と閃光を楽しむ。
日本で玩具として用いられているものは長さ2~2.5cm・太さ3~4mmほどで2~4cm程の導火線が付いた小さくカラフルな着色が成された紙筒が、約20本前後を板状に並べられて導火線を束にしたものが箱詰め・袋詰されて売られている。
一般的に日本に於いて児童等がこれで遊ぶ場合は、束ねてある紙紐を解いて、筒を一本ずつ使用するが、これはもともとの使用方法とはいえない。男児では、これを用いてプラモデルやアリの巣穴をふっ飛ばしたという悪戯をした事がある…とする話は、よく聞かれる所である。
ただこれを用いて暴走族が深夜に迷惑行為に及ぶ事もあり、度々有害玩具として規制すべきかどうか議論を招いているものの、普遍的に楽しまれている事から、あまり大量に購入しない限りは問題とされない傾向も見られる。
イベントやセレモニーで用いる際には、導火線の端にある紙紐の輪を竿や紐を使って束のまま吊るし、導火線に点火する事で、落下しながら連続的に破裂音を立てて燃焼する。燃焼中は周囲に紙ふぶき(破裂した紙筒の破片)を撒きながら飛び散るため、近づくのは危険ですらあるが、これらが幾つも連続で破裂する様は中々痛快なものである。祭などでは、もっと太く長いものを数十本から数百本、時には櫛形に連結したものを用いて連続的に爆鳴を響かせる。
[編集] 伝統
日本では玩具としてまたは、長崎県内各地で毎年お盆を中心に行われる精霊流しや全国各地の中華街で行なわれている春節祭等のイベントに用いられる。中国や台湾などでは旧正月の元日や結婚式などに邪気を祓うために大量に鳴らされ、特に少数民族の多い地域では、伝統的に過激なまでの「爆竹祭」なども見られる。
[編集] 熊除けとしての利用
日本に於いて近年では、山林が荒れた際等にツキノワグマやヒグマが人里周辺に出没するケースも度々発生するが、これら人里周辺に下りてきた熊を山奥に戻すために、人里周辺で定期的に爆竹を鳴らすなどの方策をとる自治体も見られる。しかし目の前にいる熊に爆竹を投げても、パニックを誘発させる危険性があったり、あまり効果が無かったというハイカーの証言も在るため、過信は禁物のようだ。