理想主義
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理想主義(りそうしゅぎ Idealism)とは国際協調によって平和を構築しようとする国際関係論における学説を言う。国際社会における道義や倫理、国際法や国際機関を重視し、平和が万国の利益であると考えた。これに基づいて平和教育の推進、不戦条約の締結、国際連盟の創設が行われた。現実主義の対極に位置すると考えられる。第一次世界大戦の戦禍からしばしば唱えられるようになったが、カーによって平和は各国の勢力均衡政策によって維持されるのであり、理想主義は既得権益を持たない国は大国による平和に不満を持つ傾向が強いという「平和の欺瞞」を無視していると指摘して、理想主義の考えを批判した。また第二次世界大戦の勃発によって理想主義は失敗したと思われた。その基幹的な思想をリベラリズムにもたらした。