盲暦
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盲暦(めくらごよみ)は、江戸時代に和暦の月の大小や暦注等を文盲者にも理解出来る様にイラスト等で工夫して表現した暦である。但し、近年では視覚障害者に対する配慮から「絵暦」(えごよみ)と表現する場合もある。
和暦は太陰太陽暦であったため閏月が追加される年や月齢の約29.3日を調整するため毎年30日の大の月、29日の小の月の該当月が異なっており、それを知る必要があった。たとえば「西向く士」という現在の月の大小の覚えことばは、2月、4月、6月、9月、11月というグレゴリオ暦(新暦)の小月と同じ大月のある天保8年(1837年)の覚えことばを流用している。
[編集] イラストの絵解き
下記は何れも南部盲暦の場合である。
- ふたつのどんぶり鉢の間に重箱が置いてあり、そばに矢が放り出されている。絵解きは「鉢」「重」「鉢」「矢」で「八十八夜」。
- 芥子の蕾の右斜め上に濁点。絵解きは「けし」+「゛」⇒「夏至」。
- 山賊のような姿の男が肩に荷物を担いでいる後姿。絵解きは、荷を奪っている⇒「荷奪い」⇒「にうばい」⇒「入梅」。
- 半円形の土台の上に五重塔、その手前に塔のない土台。土台のように見えるのは実は意匠化された琴柱(ことじ)である。絵解きは「塔」「柱(じ)」⇒「冬至」。
これら全てのイラストのそばにはサイコロの目と星の数などで示された「月日」が記され、それぞれの節気が何日に当たるのかが判るようになっている。
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