短剣符
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† ‡
短剣符(たんけんふ)は欧文の約物のひとつ。「†」(短剣符、剣標、ダガー、オベリスク、†、U+2020)とその変形の「‡」(二重短剣符、二重剣標、ダブルダガー、ダブルオベリスク、‡、U+2021)がある。
短剣符は脚注を示すためにアスタリスクが既に使用されているときに用いられる。3つ目の脚注を示すのに二重短剣符が用いられる。下に示すように死亡を連想させるので人名の近くに用いることは極力避けなければいけない。ASCII環境では時にプラス記号(+)で代用されることがある。
また、十字架のように見えることから墓に立てる十字架を連想し、キリスト教の地域では人名や日付の後ろに置いて、死亡した人の名前や歿年をあらわす。転じて、絶滅した生物や言語の種を表すことなどに用いられることもある。
複十字(二重短剣符)は結核予防運動のシンボルである。1902年の第1回国際結核会議で決定された。
ヨーロッパの鉄道時刻表では「日曜休日」をあらわす記号として頻繁に用いられている。
量子力学では、演算子Aとエルミート共役となる演算子をA†で表す。