石原千秋
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石原 千秋(いしはら ちあき、1955年 - )は、日本の近代文学研究者。専攻は日本近代文学、特に夏目漱石の小説。成城大学文芸学部教授等を経て、現在早稲田大学教育・総合科学学術院教授。1992年から日本近代文学会評議員、2005年から全国大学国語国文学会理事,2006年から日本学術会議連携会員。
東京都生まれ。東京都立千歳高等学校を経て、1979年成城大学文芸学部国文学科卒業。1983年同大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退(文学修士)。
1983年東横学園女子短期大学助教授、1993年成城大学文芸学部教授を経て、2003年から早稲田大学教育学部教授(正式には、「早稲田大学教育・総合科学学術院教授」だが、世間ではあまり通用しない肩書きだろう)。大学では、文学理論に関する授業のほか、村上春樹に関する講義も担当している(2005年度2006年度)。
小森陽一とともに『漱石研究』(翰林書房)の編集者を務めた(2005年11月の第 18 号で終刊)。また、自息の私立中学受験を機に、中学入試、さらには高校入試、大学入試などにおける一連の国語入試問題について、テキスト分析や言説分析の観点からの論考を著し、入試国語5部作として一通りのまとまりを見た。
石原自身は、東京都立千歳高等学校卒業の後、大学受験時は1浪を経て、成城大学の2期入試(今で言う私大の3月入試)で合格しており、受験生時代、大学~大学院時代を通じての師は、『新釈現代文』(新塔社)の著者で成城大学教授(のち名誉教授、故人)の高田瑞穂である。
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[編集] 著書
[編集] 単書
- 『反転する漱石』 (青土社, 1997.11)
- 『漱石の記号学』 (講談社, 1999.4)
- 『テクストはまちがわない』 (筑摩書房, 2004.3)
- 『漱石と三人の読者(講談社現代新書)』(講談社、2004年10月)
- 『「こころ」 大人になれなかった先生』(みすず書房、2005年7月)
- 『国語教科書の思想(ちくま新書)』(2005年10月)
- 『Jポップの作詞術(生活人新書)』(2005年11月)
- 『学生と読む『三四郎』(新潮選書)』(2006年3月)
- 『大学生の論文執筆法(ちくま新書)』 (2006年6月)
入試国語 5 部作
- 『秘伝 中学入試国語読解法(新潮選書)』(新潮社, 1999年)
- 『教養としての大学受験国語(ちくま新書)』(筑摩書房, 2000年)
- 各章で挙げられていた推薦図書
- 『大学受験のための小説講義(ちくま新書)』(筑摩書房, 2002年)
- 『小説入門のための高校入試国語(NHKブックス)』(日本放送出版協会, 2002年)
- 『評論入門のための高校入試国語(NHKブックス)』(日本放送出版協会, 2005年)
関連論文に、「なぜ入試の国語に小説が出題できるのか」 『環』(藤原書店) 2001年 Winter 4号、pp. 263-269. などがある。
[編集] 編著
- 『夏目漱石 3』 (有精堂出版, 1985.7)
- 『夏目漱石』 (有精堂出版, 1990.4)
[編集] 共著
- 『読むための理論』 (世織書房, 1992.3)
- (小森陽一) 『漱石を語る 1』 (翰林書房, 1998.12)
- (小森陽一) 『漱石を語る 2』 (翰林書房, 1998.12)