砂漠のバラ
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砂漠のバラ(Desert RoseまたはSand Rose)とは、ある種の化合物が、自然現象でバラのような形状の結晶に成長した石である。
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[編集] 砂漠のバラの成分
砂漠のバラには「硫酸カルシウム(CaSO4 ))」である石膏で出来たものと、「硫酸バリウム(BaSO4 )」である重晶石で出来たものがある。これらの化合物は、本来、透明で滑らかなのだが、表面に砂が付着している(結晶と一体化している)ため、砂漠のバラは茶色くザラザラした石であることも多い。
また、赤鉄鉱の中にもバラの花状の結晶を作るものがあり、これは砂漠ではなくアルプス山脈などで産出される。
[編集] 砂漠のバラの故郷
メキシコやサハラ砂漠で採取されたものが多く出回っている。原産地には、人より大きい巨大な岩石のようなものもある。砂漠のバラは水に溶けたミネラルが結晶に成長するものなので、砂漠といえども水がない(またはなかった)地域からは出てこない。そのため、砂漠のバラは、かつて水が存在した証拠としても扱われる。
[編集] 砂漠のバラの謎
現在、砂漠のバラが、どのようにしてバラ形の結晶に成長するのか、科学的に解明されていない。
[編集] 用途
[編集] 観賞用
特異な形状で、知名度も高いことから、標本や置物としての人気は高い。鉱物標本などを扱う店では、小さいもので千円前後、少し大きさのあるものでも数千円から売られている。
[編集] 参考文献
『堀秀道・著 楽しい鉱物図鑑 草思社 1992年発行』