磯部力
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磯部 力(いそべ つとむ、1944年 - )は行政法学者。特に地方自治、環境法、都市法に関する論考が多い。立教大学教授、東京都立大学名誉教授。
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[編集] 略歴
- 1967年 東京大学法学部(第一類)卒業
- 1967年~68年 住友銀行勤務
- 1969年 東京都立大学法学部助手
- 1973年 東京都立大学法学部助教授
- 1985年 東京都立大学法学部教授
- 1989年 東京都立大学教養学部長兼任
- 1993年 東京都立大学評議員(97年3月まで)
- 1996年 パリ大学比較法研究所招待教授
- 1997年 東京都立大学 法学部長 社会科学研究科長(01年3月まで)
- 2004年 東京都立大学名誉教授の称号授与、独立行政法人大学評価・学位授与機構特任教授
[編集] 業績
[編集] 所属学会
日仏法学会(理事)、日本土地法学会(理事)、日本公法学会(理事)、日本自治学会(理事)、警察政策学会(会長)
[編集] 社会的活動
国地方係争処理委員会委員など
[編集] 都立大学退官について
磯部教授は、都立大学の重要ポストを歴任しており都立大学に欠かせない人物であった。都立四大学大学改革の際にも、大学改革実施本部長として任にあたっており、学長に推す声も多かった(事実、学長候補として選出され、茂木俊彦現総長と争った)。
しかし、改革案が「95%完成した」(もっとも客観的にそう言いうるかには異論もある)状況で、石原慎太郎都知事は2003年8月1日に突然「新たな都立の大学構想」を発表し、今までの大学改革案を一方的に破棄した。その内容の適否はともかく、都立大の意向・意見や大学改革を聞き入れない方法をとったがために、従来の改革推進派(その代表は磯部であった)・改革反対派を問わず多くの反発を招いた。
これに抗議する形で、磯部教授は2004年3月をもって長年勤めた都立大学を退職した(教授は退職に関する理由説明で、涙ながら「(私たちが努力してきたことを)虚仮にされた」と語った)。この年は法学部から磯部教授を合わせて4人の退職者がでた。さらに翌年、行政法担当の同僚である人見剛教授(現北海道大学教授)も抗議退職する結果となった。そのほかにも多くの退職者を出した。しかしながら、退職時に、名誉教授号の授与は受けた。この出来事によって「都立大行政法の伝統」が途絶えたと言われている。