私の頭の中の消しゴム
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私の頭の中の消しゴム 내 머리 속의 지우개 A Moment to Remember |
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監督 | イ・ジェハン |
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製作 | チャ・スンジェ |
脚本 | イ・ジェハン |
出演者 | チョン・ウソン ソン・イェジン |
音楽 | キム・テウォン |
撮影 | イ・ギョンジュ |
編集 | ハム・ソンウォン |
配給 | CJエンターテインメント ギャガ・コミュニケーションズ |
公開 | 2004年11月5日 2005年10月22日 |
上映時間 | 約117分 |
製作国 | 韓国 |
言語 | 朝鮮語 |
興行収入 | 30億円 |
allcinema | |
キネマ旬報DB | |
IMDb | |
私の頭の中の消しゴム(わたしのあたまのなかのけしゴム、내 머리 속의 지우개、A Moment to Remember (=International title))は、2004年に公開された韓国映画である(日本での公開は2005年)。イ・ジェハン監督・脚本の純愛ラブストーリー。
原作は、映画のエンドロールに「Based on the television program "Pure Soul"」と記載されているように、日本のテレビドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』(2001年、読売テレビ制作)である。映画の日本公開前(2005年8月8日)に主演俳優チョン・ウソンとイ・ジェハン監督が来日し記者会見を開いた際には、原作ドラマのヒロインを演じた永作博美が花束贈呈に現れ同席している。
タイトル『私の頭の中の消しゴム』の由来は、原作ドラマのヒロインの台詞「私の頭の中には消しゴムがあるの」である。イ・ジェハン監督は映画を制作する際、原作のこの台詞を要の一つと捉え、タイトルに決定、また同様の台詞を映画のヒロインにも用いた。そうした経緯があったことから、前述の記者会見の席で永作博美は「私の台詞をタイトルに付けてもらえて嬉しいです」と語っている。
興行収入は、韓国で公開後3週連続第1位、日本では公開後4週連続第1位を記録。さらに日本での興行収入の累計総額は30億円に上った。これは日本で公開された韓国映画史上第1位である(興行通信社調べ)。
2006年4月26日 - 、この映画を基に、日本の会社USENとデジタルハリウッド・エンタテインメントがドラマ『私の頭の中の消しゴム アナザーレター』を制作、GyaOで配信。
2007年3月13日 - 、日本テレビの『火曜ドラマゴールド』で深田恭子、及川光博主演で監督はオリジナルのドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』と同じ唐木希浩によりテレビドラマ化された。
目次 |
[編集] ストーリー(映画)
社長令嬢のスジンと工事現場で働くチョルス。育った環境の違う二人だが、互いに惹かれ合い結婚する。幸せな日々を送っていた矢先、スジンが若年性アルツハイマー病に侵されていることが判明する。それは徐々に記憶障害が進行し、肉体的な死よりも精神的な死が先に訪れる病気である。日々失われていくスジンの記憶をつなぎ止める術はなく、遂には夫・チョルスの事さえ記憶から消えていく。チョルスは葛藤を覚えながらも、彼女を大きな愛で受け止め、支え尽くす決意をする。
[編集] ストーリー(ドラマ)
アルバイトをしながら美術学校に通う25歳の香野可菜(深田恭子)はある日、商店街にある書店のシャッターに描き進められている絵を見つけた。一目でその絵が気に入った可菜は、どんな人物が描いているのか、興味津々。偏頭痛で病院に行った帰り道、可菜は、作業していた瀬尾諒介(及川光博)と初めて顔を合わせた。 やがて、愛犬と散歩中の可菜が、諒介のペンキ缶を誤って倒したりするうち、2人はデートの約束をするまで仲良くなった。可菜は、父・健一(布施博)、母・あづさ(田中好子)、大学生の弟・智史(中尾明慶)の4人家族。 2人が美術館でのデートを楽しんでいた頃、あづさと健一は、可菜の担当医で、脳神経科の神崎邦彦(船越英一郎)に呼び出され、衝撃的な検査結果を突きつけられた。脳のMRI画像を前に、神崎は可菜が若年性のアルツハイマー病だと告げたのだ。神崎の話によると、アルツハイマー病は、今現在、進行を遅らせる薬はあるものの、根本的な治療が難しいらしい。あづさは、セカンドオピニオン、サードオピニオンに期待し、可菜には内緒で別の複数の病院を当たるが、診断結果は全て同じ内容だった。 そうとは知らず愛を育む可菜に、頭の中の病魔は徐々に牙をむき始めた。諒介とデート中の可菜が、突然意識を失って病院に担ぎ込まれたのだ。その2週間後、諒介から、可菜と結婚を前提に付き合いたいと申し込まれたあづさと健一は、心にもない理屈を付けて断わった。本当のことを知らない可菜と諒介は、ショックを受けるのだった。
そんな2人の様子を知ったあづさは、ある日、諒介を訪ね、可菜には黙っていて欲しいと口止めして、結婚を認められない理由を明かした。衝撃を受ける諒介だったが、考え抜いた末、将来の苦難を覚悟で結婚を決意。その思いをあづさと健一に伝えた。 1ヵ月後、可菜と諒介の結婚式が賑やかに行われた。しかし、幸せな時は長くは続かなかった。1年後、可菜の症状は急激に悪化し、物忘れのため買い物に行った家の近所からも戻れなくなったのだ。診察した神崎は、病気の進行が速まっていることをあづさに告げ、本人に早く知らせることを勧める。 説明を聞いた可菜は、アルツハイマー病が肉体的な死より、精神的な死が先に訪れる悲劇的な病気だと知り、ショックの余り病院を飛び出した。慌てて追いかけて捜し出した諒介は、別れようという可菜に対し、俺が忘れさせない、と約束した。 まもなく、2人は、1年遅れの新婚旅行を楽しむが、可菜の症状は次第に物忘れから“まだらボケ”状態になり、諒介のことすら認識出来なくなることが多くなった。精神状態が正常な時、自分の症状を自覚した可菜は、泣きながらある決断をして――。
[編集] キャスト(映画)
- チェ・チョルス:チョン・ウソン
- キム・スジン:ソン・イェジン
- ソ・ヨンミン室長(スジンの元不倫相手):ペク・チョンハク
- アンナ・チョン(ヨンミン妻の同級生):イ・ソンジン
- キム社長(スジン父):パク・サンギュ
- スジン母:キム・ヒリョン
- チョンウン(スジン妹):ソン・ジヒョン
- オ・マダム(チョルス母):キム・ブソン
- ファン会長(チョルスに家の設計を依頼):イ・ハン
- 寺大工(チョルスの師匠):チャン・イナン
- イ医学博士:クォン・ビョンギル
- 看護婦:チョン・ウネ
- ユナ(スジン友人):ヒョン・ヨン
- ミョンジュ(スジン友人):パク・ユニョン
- ジヒョン(スジン友人):パク・ミスク
- チョルスを慕う建築作業員:チン・ヨンオク、ソ・ジノン、シン・ヒョンタク
- 終身ケア施設の看護婦:イ・ジョンイン
※日本語吹き替え版では、チョルスを三木眞一郎、スジンを小林さやかが務めた。
[編集] キャスト(ドラマ)
- 香野可菜(25) / 深田恭子
- 瀬尾諒介(35) / 及川光博
- 香野智史(18) / 中尾明慶
- 弥生(21) / 田代さやか
- 薫(24) / 七咲友梨
- 神崎邦彦 / 船越英一郎(友情出演)
- 香野健一(50) / 布施博
- 香野あづさ(47) /田中好子
[編集] スタッフ(映画)
- 監督・脚本:イ・ジェハン
- 製作:チャ・スンジェ(サイダス代表)
- プロデューサー:キム・サンミン
- 脚色:キム・ヨンハ ※第42回大鐘賞映画祭脚色賞受賞
- 音楽:キム・テウォン
- 撮影:イ・ギョンジュ
- 美術:チェ・ギホ
- 衣装:キム・ソンイル
- 編集:ハム・ソンウォン
- 原作:江頭美智留、松田裕子(『Pure Soul~君が僕を忘れても~』)
[編集] スタッフ(ドラマ)
- 制作:日本テレビ
- 監督:唐木希浩
- 脚本;松田裕子
- 音楽:大黒摩季
- プロデューサー; 金田和樹(日本テレビ)小林紀子(日本テレビ)菅井敦(ホリプロ)槙哲也(ホリプロ)
- 協力プロデューサー: 前田伸一郎(日本テレビ)木村元子(デジタルハリウッド・エンタテインメント)
- 協力:デジタルハリウッド、渋谷ビデオスタジオ、日活撮影所、ビデオスタッフ、ゼロ・イメージワークス
- 製作著作:ホリプロ
[編集] 楽曲(映画)
[編集] DVD
DVD化にあたっては、劇場公開版(本編117分)の他に、ディレクターズカット版(本篇144分)も作製されている。[1]