窃視症
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窃視症(せっししょう・英Voyeurism)とは、異性などを覗き見る事で性的興奮を感じる異常性欲(または性的倒錯や性的指向)の一種である。
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[編集] 概要
主に、性的な興奮を、他人の生活を覗き見る事で得ようとする行動様式で、プライバシー侵害等の犯罪行為に走る場合もあるが、のぞき部屋等の風俗サービスで満足してしまう場合も多い。
前者の行為は病的ともいえるが、後者は健全な好奇心の所産であるとも考えられ、また他人の行動様式が気に成るのは、社会学的に見ても人間の基本的な欲求の結果とも考えられるため、両者の間に犯罪行為の有無以外には明確な境界が無い以上、一概に性格異常とするべきでは無いのかもしれない。
なおこの行為では、「覗き見る対象に性的興奮をしている」という誤解がある。本来の窃視症では、覗き見るという行為や状況そのものがこの傾向を持つ者の目的であって、みられる側である対象が猥褻な行為をしているかどうかは問題ではないケースも存在する。特に病的とされるケースでは、着替えや他人の目に配慮しない日常生活に興奮する傾向もあるとされる。
また圧倒的に男性にこの傾向を持つ者が多いなど性差は関係するものの、男女共に窃視症の傾向を持つ者は存在しており、必ずしも「男性が女性を覗き見る」とはいえない。「一回位なら」という程度まで含めると、男性の40%以上が覗き見に関心があり、女性では約10%程度が関心があるという。ただし男性の側が「覗きをしてみたいか?」という問いに対して「非常にそう思う」と答えた側が全体の1/3程度であるのに対し、女性の場合において「非常にそう思う」と答えたのは1/7程度となっており、女性は全般的に覗きに興味を示しにくいといえよう。
- 目白大学教授・内山絢子『高校生・大学生の性被害の経験.科学警察研究所報告 防犯少年編』(1998年)
[編集] 分類
なお幾つかの下位分類があり、以下のように定義されている。
- Scoptlagnia
- 他人の性的な行為を見ることに、性的に興奮する。
- Scopophilia
- 他人の着替えに性的に興奮する。
- Scoptophilia
- 同意の上で他の人の性器や性行動を見て、性的に興奮する。
- Troilism
- (自分の)パートナーが他人と性的な行為をしているのを見て性的に興奮する。
ただ、列記して分かるとおり、これらは思春期などにそのようなシチュエーションで性的興奮を催すことは、だれにでもありうるものである。病的かどうかに関しては、反復してこの欲求が発生するかどうかにも絡む。
[編集] 問題
この傾向が暴走し、まれに恋人あるいは夫婦間など、パートナーの住居・自室等に盗聴機や隠しカメラを設置したがる人もいるが、基本的に当人の了解を得て居ない場合は、例え夫婦間でもプライバシー侵害に問われる事がある。
また、強烈に「無警戒な他人の裸や着替え、あるいは性行為」を盗み見たいという欲求を憶えたり、あるいはそうしたいと空想し続けたりといった状況は、一時の気分ならまだしも、半年以上反復して訪れる場合には精神病の一種である(DSM-IV-TR8)として、精神医学面での「窃視症」という症状であるとされる。