算盤坊主
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算盤坊主(そろばんぼうず)は、日本に伝わる妖怪。算盤小僧(そろばんこぞう)とも呼ばれる。
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[編集] 特徴
かつて丹波国(京都)に出没していたという妖怪。人の気配のない道端の木の下などで、算盤をはじくような音をさせ、人々を脅かす。人間が音の方へ近づくと音は消え、別の場所から音を出し、人前に姿を現すことはないという。
京都府船井郡西別院村笑路(現:亀岡市)では、夜中に笑路の西光寺の近くを通ると、寺のそばにあるカヤの木の下に姿を現すとされ、その名の通り坊主の姿の男が木の下で盛んに算盤を弾いるという。その寺では、計算を間違えて和尚に叱られた坊主が、その木で首を吊って自殺したと言われており、その坊主の霊と言われている。
また、この西光寺の隣の素盞鳴神社でも、毎晩午前0時か1時頃、境内の木の下に少年の姿が現れて算盤を弾き出すという。一説によれば、この少年は西光寺の開山萬安英種という和尚で、幼い頃に夜中に人知れず勉学に励んでいた姿だとされる。
[編集] 関連項目
[編集] 出典元
- 村上健司 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、32頁。
- 水木しげる 『妖鬼化 3 近畿編』 Softgarage、2004年、77頁。