細江英公
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細江英公(ほそえ えいこう 1933年 - )は現代日本を代表する写真家である。本名は細江敏廣。山形県米沢市生まれ。
1933年、山形県米沢市に生れる。1952年、19歳で東京写真短期大学(現 東京工芸大学)に入学。写真サロンの月例コンテストに応募、「銀座の乞食の子供」を出品、特選に入選。福島辰夫は、土門拳らのリアリズム派にない人間味に注目。美術家「瑛九」と交流を深め、既成観念に挑む作家の精神を受け継ぐ。1954年同大卒業。福島辰夫の主宰する「十人の眼」展に参加。その後写真家集団「VIVO」をともに立ち上げる。三島由紀夫の裸体写真集「薔薇刑」や秋田の農村を舞台に舞踊家の土方巽をモデルにした「鎌鼬」を発表。英国王立写真協会は、2003年9月18日記念式典で「生涯にわたり写真芸術に多大な貢献をした写真家」として特別勲章を授与した。
[編集] 経歴
- 1933年、山形県米沢市生まれ。
- 1947年、終戦後、新しい時代に備え、新しい名前をつけるよう従兄弟から勧められ、以後「細江英公」と名乗る。
- 1951年、「富士フォトコンテスト」(学生の部)で『ポーディちゃん』が最高賞を受賞。
- 1952年、東京写真短期大学(現東京工芸大学)写真技術科に入学。
- 1952年、「写真サロン」11月号、月例コンテストで『銀座の乞食の子供』が特選。
- 1954年、東京写真短期大学を卒業し、フリーに。以後、写真雑誌、女性雑誌の仕事を始める。
- 1960年、個展『おとこと女』により日本写真批評家協会新人賞を受賞。
- 1963年、三島由紀夫をモデルに撮った写真集『薔薇刑』により日本写真批評家協会作家賞を受賞。
- 1967年、東京写真専門学校で教鞭をとる(1969年まで)。
- 1970年、東北を舞台に、舞踏家の土方巽を撮った『鎌鼬(かまいたち)』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。
- 1974年、若手写真家による寺子屋形式の学校「WORKSHOP写真学校」(文京区後楽)の設立に参加。
- 1975年、東京写真大学短期大学部(現東京工芸大学)教授となる。
- 1981年、日本写真家協会副会長となる。
- 1994年、東京工芸大学芸術学部教授に就任。
- 1995年、清里フォトアートミュージアムの初代館長となる。
- 1998年、東京工芸大学芸術学部及び大学院芸術学研究科(修士)課程教授となる。
- 2000年、写真集『細江英公の写真絵本[妖精物語]ルナ・ロッサ』を発表。(新潮社)