綱引き
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綱引き(つなひき)は、2つのチームが一本の綱をお互いの陣地に向けて引き合い、その優劣を競う競技である。
オリンピックでは1920年のアントワープ大会まで競技種目であったが、現在はワールドゲームズで競技種目となっている。
綱引きはチームの総重量以外の物理的条件が両チームともすべて同じ場合、総重量の重いほうが勝つ。
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[編集] ルール
- これは競技用国際ルール(一部)であり、日本各地域ごとに決められているルール(季節行事など)とは異なるので誤解の無い様に注意する事。
- 一チーム8名で行われる。補欠は2名まで。
- 男女ともチームウェイト(8人の総重量)によるクラス別に実施されている。
- 時間制限はなく、相手側チームが4m自分側チームに引き込んだ時点で決まる。
- チームの最後尾(アンカーマン)のみロープを肩にかけることが出来る。
- 競技会により1セットマッチ、2セットマッチ、3セットマッチ(2本先取で終了)がある。
[編集] 服装
基本的に標準的なスポーツ用の服装である。腰を保護するためのベルトを腰に巻く場合もある。シューズも綱引きシューズまたは市販の踵のないスポーツシューズを使用する。素手で競技するが、滑り止めのために炭酸マグネシウムなどの使用が認められている。競技会によってはゼッケンの着用が必要な場合がある。また、最後尾のアンカーはヘルメットを付けなければならない。
[編集] ロープ
長さ33.5m以上(小学生は28m以上)のマニラアサでできたロープが使われる。
ロープの中央に赤いマーキングを付け、中央から両側2m(アウトドアでは4m)の場所に白いマーキング、さらに両側0.5mの場所に青いマーキングをつける。地面にも赤と白のラインが同じ間隔で引かれている。白いマークとラインは勝敗決定に利用する。また、先頭の競技者は青いマークよりも後ろでロープを握らなければならない。各マークはロープからはがして張る位置を調整できるようになっている。
[編集] 競技の流れ
[編集] 競技サイドの決定
競技サイドはじゃんけんまたはコイントスで決めるが、事前に指定される場合もある。2セット目はサイドを交代し、さらに3セット目を行う場合は抽選、じゃんけん、コイントスなどでサイドを決定する。
[編集] 競技開始
審判による以下の号令によって競技が開始される。
- 「ピック・アップ・ザ・ロープ」(Pick up the rope):地面のロープを持ち上げる。
- 「テイク・ザ・ストレイン」(Take the strain):両手でロープを持ち、競技の態勢(アンカー・ポジション)になる。
- 調整(Rope to center):ロープの競技開始位置の調整。
- 「ステディ、プル」(Steady,Pull):競技開始の合図。「プル」の合図で競技者は一気にロープを引く。
[編集] 勝敗の決定
お互いがロープを引き合い、先に4メートル引き込んだ側の勝利となる。具体的には、インドアではロープの相手側の白マークが自分側の白ラインに達した瞬間に、アウトドアでは相手側の白マークがセンターラインに達した瞬間に自分側の勝利となる。原則として時間制限はなく、勝敗が決定するまで続けられる。勝利決定の瞬間、審判はホイッスルを鳴らした後勝利チームを指し示す。
なお、ルールブック上にはないが競技会によっては特別ルールとして時間制限が設けられることがある。その場合主に30秒~2分程度に設定する場合があり、時間に達した時点でより引き込んでいるチームを勝利とする。
[編集] 反則
反則を犯すと審判から指導され、直ちに改めなければならない。改めなければコーション(警告)となり、3回のコーションを宣告された場合そのチームは反則負けとなる。
- シッティング:故意に座る。
- リーニング:足の裏以外の部分が地面に触れる。
- ロッキング:ロープを腕や肘を使って自由を利かなくする。
- グリップ:両手で握り拳を作ってロープを持つ。
- プロッピング:両手で握り拳を作り、身体に沿って持ち上げる。
- ポジション:屈伸しながら引く。
など、12種類がある。
[編集] 日本の綱引き
日本では古くはカヤや藁を使った縄を使って引き合い一年を占う神事または行事で蛇や龍などを見立てることが多く、小正月などに行い中国の上元の綱引がルーツとされている。沖縄や南九州では8月ごろ北九州では盆の綱引など地域によっても少し違いがある。終わったあとは川や海などに流すところもある。
[編集] 峠の国盗り綱引き合戦
遠州軍(静岡県浜松市水窪町)と信州軍(長野県飯田市南信濃)は、毎年10月に国境をかけて兵越峠で綱引き大会をしている。これは遠州軍と信州軍が「国境」をかけて綱引きで対決した「峠の国盗り綱引き合戦」をもとに昭和62年から行っている。浜松市水窪町と飯田市南信濃からそれぞれ15人選出された選手が3本勝負の綱引きをし、勝った方が1mだけ国境を広げることができる。いまのところ3連勝が最高で3mも国境が動いたことがあったという。
[編集] 掛け声
運動会などでの綱引きでは、「オーエス!」という掛け声がよく使われる。これはフランス語の「oh hisse」(「それ引け」という意味)からきているようである。
[編集] 地方の綱引き
- 沖縄県
- 那覇の大綱挽・糸満大綱引・与那原大綱引き・屋慶名大綱引き
- 京都府南丹市
- 佐賀県唐津市
- 呼子の大綱引き(よぶこのおおつなひき)
- 福井県三方郡美浜町
- 水中綱引き
- 福井県敦賀市相生町
- 敦賀西町の綱引き
- 秋田県大仙市刈和野(旧西仙北町)
- 刈和野の大綱引き
- 鹿児島県薩摩川内市(旧川内市)
- 川内大綱引(せんだいおおつなひき) 長さ365m、直径35cm、重さ5t
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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