耳垢
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耳垢(みみあか)とは耳のなかの垢である。俗に耳糞(みみくそ)とも言われている。空気中のほこり、皮膚の残骸などがたまったものと、外耳道の耳垢腺というところから出る分泌物が混ざったもの。ときどき掃除する必要がある。
耳垢は乾燥した耳垢と湿った耳垢があることが知られている。湿った耳垢は優性遺伝し、乾いた耳垢は劣性遺伝することが明らかになっている。湿った耳垢の人は体質的に体臭が強い傾向がある。
日本人では湿性耳垢の人は約16%だと言われている。この割合は人種によって大きく差があり、北部の中国人や韓国人で湿性耳垢は4~7%に対し、ミクロネシア人やメラネシア人では60~70%、白人では90%以上、黒人は99.5%が湿性耳垢であると言われている。
2006年1月29日、長崎大学の研究グループの論文発表で、耳垢が湿性か乾性かを決定するのはDNAの塩基配列の1ヶ所の違いであることが判明。また同論文では、「乾性耳垢」というものは本来存在せず、この体質の人は先天的に耳垢が出ない体質であり、彼らが耳垢だと思っているものは耳壁の皮や外部の埃などであることが述べられている。
[編集] 耳掃除
外耳道(耳の穴)は、骨部と軟骨部に分かれている。骨部が内側で、軟骨部が外側である。鼓膜より皮膚は外側に移動するように出来ており、正常であれば、奥に耳垢はたまることなく、軟骨部と骨部の移行部まで出てくる。すなわち、耳を掃除するのは、見える範囲内でいいということになる。
[編集] 味
鼻糞と違い、耳垢の味は苦い。