脳動脈瘤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう、英cerebral aneurysm)とは、動脈壁の脆弱性等に起因する先天的な血管壁が瘤状に変化したもの。
動脈瘤の血管壁は中膜を欠いているために破綻しやすく、多くの脳動脈瘤はクモ膜下腔に存在するので、クモ膜下出血の最大の原因となる。
20%の確率で複数の動脈瘤が発見される。
医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。
目次 |
[編集] 好発部位
特に分岐の豊富なWillis動脈輪が好発部位となる。
- 内頸動脈後交通動脈分岐部(ICPC)
- 前交通動脈(Acom)
- 中大脳動脈第一分岐部(MCA)
[編集] 原因
先天的な中膜の欠損がある状態で内弾性板の断裂が加わり、そこに血圧の負荷が加わることで嚢状に動脈瘤が膨らむと考えられている。
[編集] 症状
破裂しない限り、原則として無症状。
ただし内頸動脈に生じた脳動脈瘤は、瘤による圧迫で同側の動眼神経麻痺を来たす。また、最大径が2.5cm以上のいわゆる巨大動脈瘤になると、動脈瘤の部位に応じた圧迫症状が起こる。
[編集] 診断
- DSA、脳血管造影
- MRA
- 3D-CTA(3D-CT angiography)
[編集] 合併症
- 年間1~2%の割合で発症すると言われている。
[編集] 治療
- 動脈瘤クリッピング
- 血管内コイル塞栓術
未破裂動脈瘤は破裂する可能性は低いとして、治療しないこともある。特に70歳以上の高齢者では患者への負担も考慮し、治療しないことが多い。日本脳ドック学会では70歳以下で5mm以上の未破裂脳動脈瘤を手術適応と発表している。
[編集] 関連
カテゴリ: 医学関連のスタブ項目 | 脳神経疾患 | 循環器病