腐敗
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腐敗(ふはい)とは腐敗細菌、真菌、酵母など微生物によってタンパク質などの窒素を含んだ有機物が分解されること。通俗的には腐る(くさる)という。
腐敗物には腐敗アミン(インドール、ケトン)などが生成分解するため独特の臭気(主に硫化水素やアンモニアなどによる悪臭)を放つ。また、腐敗によって増殖した微生物が病原性のものであった場合には有毒物質を生じ、食中毒の原因ともなる。腐敗の具体的内容は多岐にわたり、元の材料、その置かれた温度、水分などの条件によって様々に変化する。これは、基質と条件によって働く微生物が異なるのが大きな原因である。
腐敗の判定には化学的判定、物理的判定について研究されている。
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[編集] 腐敗微生物・腐敗細菌
腐敗をもたらす原因となる微生物のことを腐敗微生物と呼ぶ。その中でも細菌の場合を腐敗細菌と呼ぶ。 腐敗細菌(Food spoilage bacteria)はあらゆるところに棲息している。
[編集] 発酵食品
腐敗過程の結果によって、ヒトの生活、特に食生活に役立つものが生じる場合、これを特に醗酵と呼んでいる。醗酵によって生じる食品を発酵食品と呼ぶ。
[編集] 他の用法
腐敗および腐るという言葉は、本来有機物が分解されるさまを表現した言葉であるが、この現象は視覚的および感覚的に醜い状態へ変貌するというイメージを受ける。この醜い状態へ変貌するさまを精神的に堕落して悪がはびこるさまに例えて、しばしば人や組織、業界などの社会的要素で起こる悪質な体制や性質が半ば慢性化している状態に対してこの言葉が使われる。
- 例:「腐敗した業界」「あいつは人間の腐った奴だ」
[編集] 関連項目
- 変敗
- 酸敗
カテゴリ: 生物学関連のスタブ項目 | 醗酵