自然
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自然(しぜん)とは、
- 人間の作為(人為)が加わっていない、あるがままの状態、現象、およびそのことによる生成物。人工物・人為物でないもの。
- 1の意味より、山、川、海、湖、滝、泉、洞窟、台風、地震、津波 等々。
- 1の意味より、山、川、海等々の自然物および生物全般。(ただし人間は除く)
- 1の意味より、ヒトも含めた天地・宇宙の万物の事。(生物としてのヒトは人工物ではない、という考え方より)
- 意識しない、意図しない行動。本能による現象、行動。
(注)ヨーロッパ諸語では、自然は本性(ほんせい)と同じ単語を用い「その存在に固有の性質」をあらわす。(例えば、英語・フランス語の「nature」がそれである)。外国語文献の翻訳を読む際には「本性」の含みがないか常に留意すべきである。例えば「自然と人為」などという対比にぶつかった時、そこでの人為には単に「自然物に対して手が加えられた」という意味だけでなく「人為によって本性が捻じ曲げられた」というニュアンスが含まれているかもしれない。西洋では自然と人間を完全に分離した考えを持つが、日本では人間は自然の一部と考える。また、日本には江戸時代まで「自然」という言葉はなく、開国後に「nature」等の外国語を訳する際にできた言葉だと思われる。
自然(じねん)とは、万物が現在あるがままに存在しているものであり、因果によって生じたのではないとする無因論のこと。仏教の因果論を否定する。 また外からの影響なしに本来的に持っている性質から一定の状態が生じること。
[編集] 自然と管理
スキー場のゲレンデの外へ出る部分や、山や沢のルートで整備域の外へ出る部分に「立入禁止」の掲示があることが多いが、「禁止」などと「おせっかい」で「かまってくれる」表示ではなく、「ここから先は誰も知らない」という旨の表現でいいのではないか、はよくいわれる議論である。助けを求めることが出来るなら、救助は来るかもしれないが、“自然”の地へ入っていくときにはよく心がけたい。
[編集] 「自然」に関わるもの、表現
- 自然界
- 自然科学
- 自然環境保全法
- 自然休養林
- 自然経済
- 自然権
- 自然言語
- 自然公園
- 自然主義
- 自然神
- 自然数
- 自然崇拝
- 自然選択 (自然淘汰)
- 自然対数
- 自然治癒力
- 自然農法
- 自然弁証法
- 自然法則
- 自然免疫⇔獲得免疫
- 自然薯
- 「自然に還れ」。ジャン=ジャック・ルソーの思想の一部を端的に表した表現。人間社会の人為的・作為的な因習から脱出し、より自然な状態へと還ることを称揚している。
[編集] 関連項目
- 本性
- 対義語 人為