若尊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
若尊(わかみこ)は、鹿児島湾北東部の海中にある南北約2.5km、東西約3.5kmの海底カルデラおよび海底火山群。
カルデラは水深約200mの平坦な地形で姶良カルデラの一部をなしており、約2万5千年前に起きた姶良大噴火の主要な火口の跡と考えられている。海底火山はタギリ中央火口丘、ホリノデ中央火口丘、アブラツボ中央火口丘などがあり、記録に残っている噴火はないが現在も活動が継続しており、年間数回から数十回の微小な地震が観測される。海底において活発な噴気活動が観察されており、海面に泡となって現れることから地元漁師の間で「たぎり」と呼ばれている。1977年の調査によって噴気中に二酸化炭素と硫化水素が検出され、火山性の活動であることが確認された。2003年、活火山に指定された。
1993年の調査によって噴気口周辺の海底に新種のハオリムシ(チューブワーム)がいることがわかり、サツマハオリムシと名付けられた。
[編集] 参考文献
- 大木公彦 『かごしま文庫61 鹿児島湾の謎を追って』 春苑堂出版、2000年、ISBN 4-915093-68-9。