菊次郎の夏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『菊次郎の夏』(きくじろうのなつ)は北野武の監督作品。1999年公開作品。第52回カンヌ映画祭コンペティション部門正式参加作品。静岡県、および愛知県豊橋市などでもロケが行われた。「菊次郎」はたけしの亡き父の名前。
[編集] あらすじ
夏休み、一人ぼっちの小学生三年生の正男(関口雄介)は、遠く離れて暮らしているという母親に会うために、お小遣いを持って家を飛び出す。それを知って心配した近所のおばさん(岸本加世子)は、自分の旦那である駄目人間の菊次郎(ビートたけし)を正男に同行させるのだが・・・。
[編集] 出演者
- 北野菊次郎 - ビートたけし
- 菊次郎の妻 - 岸本加世子
- 正男 - 関口雄介
- 正男の母 - 大家由祐子
- 正男の祖母 - 吉行和子
- 車の女 - 細川ふみえ
- 変態男 - 麿赤兒
- デブのおじさん - グレート義太夫
- ハゲのおじさん - 井手らっきょ
[編集] エピソード
- この映画のオープニングの音楽は、ジブリ映画の音楽担当でも知られる久石譲の「Summer」である(これは、その後2000年~2002年にかけて、9代目(E120系)トヨタ・カローラのテレビ・ラジオCMのBGMにも使われた)。そのため、「summer」を指す際、映画のタイトル名ではなく「カローラの音楽」と言われることもある。
- 北野映画作品にありがちな「痛み」を伴う暴力的な面が、排除されている。これは、彼自身の『振り子理論』に基づき、逆の方向を狙って作ったとされている。そのため、老若男女を問わず落ち着いて見られる作風になっている。
- 亡くなった父と同じ年齢を迎えた北野自身を「菊次郎」として、少年期の北野自身を主人公の少年として描き、重ね合わせたごく私的な作品。
- ベネチア映画祭でも評判は上々だったが、賞は1つしか獲れなかった。東京スポーツは、「たけし一冠の終わり」と洒落のきつい見出しを出した。さすがに、これには北野監督も苦笑するほかなかったという。
北野武監督作品 |
---|
その男、凶暴につき | 3-4X10月 | あの夏、いちばん静かな海。 | ソナチネ | みんな~やってるか! | キッズ・リターン | HANA-BI | 菊次郎の夏 | BROTHER | Dolls | 座頭市 | TAKESHIS' |