蜘蛛の糸
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『蜘蛛の糸』(くものいと)は芥川龍之介が1918年(大正7年)に雑誌「赤い鳥」に発表した子供向けの短編小説である。
目次 |
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
カンダタ(犍陀多)は大泥棒や人殺しと様々な悪事を行った為に地獄に落とされてしまいました。しかし、生涯で一度だけ善い事をした事がありました。それは小さな蜘蛛を助けたこと。そこでお釈迦さまは、地獄の底のカンダタを極楽への道へと案内するために、一本の蜘蛛の糸を、カンダタに下ろしました。
カンダタは蜘蛛の糸をつたって、地獄から何万里も上にある極楽へと上り始めました。ところが、糸をつたって上っている途中でカンダタはふと下を見下ろすと、数限りない罪人達が自分の上った後をつけていました。このままでは糸は重さによって切れて、落ちてしまうとカンダタは思いました。そこでカンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだぞ。お前達は一体誰に聞いて上ってきた。下りろ、下りろ。」と喚きました。次の瞬間、蜘蛛の糸がカンダタのぶら下がっている所から切れてしまいました。カンダタは再び地獄に落ちてしまいました。
お釈迦さまは極楽からこの一部始終をご覧になっていました。自分だけが地獄から抜け出そうとするカンダタの無慈悲な心が、お釈迦様には浅ましく思われたのでしょう。
[編集] 雑記
- 「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)で「今や何十カ国で翻訳され、日本を代表する名作といっても過言では無く、同時に知っていないと日本人として恥ずかしい」と紹介された。また講師は「自分だけよければ・・・と思っている人が近年多いのではないだろうか。だからこそ、これを読んでもう1度考え直して欲しい」と「蜘蛛の糸」の奥深さを講義した。フョードル・ドストエフスキーの長編小説「カラマーゾフの兄弟」における「1本の葱」の挿話に着想したものである。
- またこの小説は「まんが日本昔ばなし」で「蜘蛛の糸」と「地獄の人参」という名前のストーリーで二度アニメ化されている。内容はやや「日本の昔ばなし」風に改められているものの、大方のあらすじはそのままに映像化されている。特に後者は「蜘蛛を助けた」というものが「腐った人参を僧侶に恵んだ」と変更され、最後の亡者が「極楽、極楽・・・」と群がってくる様や人参の腐りゆく描写が印象的で覚えているという視聴者も多い。
[編集] 関連項目
- 筋肉少女帯 ― この話を元に、『蜘蛛の糸』という楽曲をリリースしている。
- 中島美嘉 ― 同じく、『蜘蛛の糸』という楽曲をリリースしている。
- ドラゴンクエストシリーズ ― III・Vに『カンダタ』という盗賊のボスが登場する。
- FLOW ― 蜘蛛の糸の物語を恋愛に置き換え、『KANDATA』という楽曲をリリースしている。
- スキマスイッチ - この話を元にした『糸ノ意図』という楽曲をリリースしている