記念印
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記念印(きねんいん)とは、普通日付印に対して、主として記念のために押される特別日付印のことで、差出人が特に希望した時に限って押される。
日本で使用されている記念印には特印、小型印、風景印、初日印の4種類があり、郵政省及び郵政事業庁時代は官報において、日本郵政公社時代はインターネットで図案が公開されている。 いずれも正規の日付印であり、郵便局名と日付が表記される。
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[編集] 特印
正式名称は、特殊通信日付印(とくしゅつうしんにっぷいん)。記念・特殊切手の発行、全国的な記念行事などにおいて使用され、直径36mmの消印で、トビ色(赤茶色)のインクで押印される。手押印と機械印があり、使用期間は手押印の場合1週間程度だが、機械印については初日のみである。
- 手押印と機械印
- 手押印(手押用印)
- 使用期間:記念・特殊切手発行日から1週間
- 使用局:定例局および指定された郵便局
- 手押印(手押用印)
-
- 機械印(記念押印機用印)
- 使用期間:記念・特殊切手発行日当日のみ
- 使用局:札幌中央、仙台中央、横浜中央、東京中央、長野中央、名古屋中央、大阪中央、岡山中央、福岡中央の各局および指定された郵便局
- 機械印(記念押印機用印)
- ※上記以外の局名の記念押印機用印を使用することがある。この場合、あらかじめ指定された郵便局に郵頼する方法しかないので注意が必要。
[編集] 小型印
正式名称は、小型記念通信日付印(こがたきねんつうしんにっぷいん)。市町村イベント、展覧会など地域の記念行事において使用されることが多く、直径32mmのゴム印で、トビ色(赤茶色)のインクで押印される。期間限定の手押し印で、通常2~3日から1週間程度で使用される。
[編集] 風景印
正式名称は、風景入通信日付印(ふうけいいりつうしんにっぷいん)。郵便局が所在する地域の名所、旧跡、記念物などが描かれており、直径36mmのゴム印で、トビ色(赤茶色)のインクで押印される。使用時期は定められておらず、いったん使用開始すれば、廃止ないし図案改正されるまで使われ続ける。
[編集] 初日印
正式名称は、初日用通信日付印(しょにちようつうしんにっぷいん)。切手やはがきの発行日に、その1日だけの初日押印のために使用される。印影にハトのマークが入っていることから、「ハト印」とも称される。 和文ハト印、欧文ハト印、機械ハト印(アメリカ製の機械を用いている)、絵入ハト印の4種類がある。 形式は和文ハト印と欧文ハト印については丸型和文印と丸型欧文印に準じ、絵入ハト印については特印に準ずる。 機械ハト印は局名を和文と欧文で併記しているが、年号は西暦下2桁のみで、抹消部にハトのマークとJAPANが表示されるという特異な形式となっている。 初日印の使用局は全国の中央郵便局をはじめとする61の定例局および指定された郵便局であるが、機械ハト印の使用局では、欧文ハト印は使われない。その逆に、欧文ハト印使用局では機械ハト印を使用しない。 また、絵入ハト印はシリーズ切手と年賀切手の発行時にのみ使用されるが、近年ではグリーティング切手にも使われている。 さらに、絵入ハト印にも手押印と機械印があり、後者については記念押印機を配備している郵便局、すなわち記念押印機用印の使用局でのみ使用される。
押印は午前中に限られているが、一部の郵便局では午後になっても押印することができる。