赤西蠣太
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『赤西蠣太』(あかにしかきた)は、志賀直哉の小説。1936年、片岡千恵蔵プロダクションにより同名映画化された。
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[編集] 作品のあらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
白石城主、片倉景長から伊達兵部と原田甲斐の悪事(伊達騒動)を探るため派遣された間者、赤西蠣太は醜い顔立ちの上胃弱、しかし大変お人よしである。おおよその事を調べ終えた彼は国許へ戻ろうとするが、正式に暇をもらおうとして故障を言われると困るので、夜逃げを企てる。ただ夜逃げするのにそれなりの理由がないと怪しまれてしまうため、美人と評判の腰元、小江に恋文を送る。こっぴどくふられるはずだったがなんと小江は求愛を受け入れてしまう。蠣太は小江の清い心を傷つけたことをいたずらにつかおうとしたことを後悔する。さらに人目に触れるようにと廊下においていた手紙は老女蝦夷菊に拾われて、彼の手元に返される。仕方なく、老女に置手紙を残して脱走する。
[編集] 映画『赤西蠣太』
『赤西蠣太』は、1936年の片岡千恵蔵プロダクション製作、日活配給の日本映画。志賀直哉の作品を元に伊丹万作監督が撮ったトーキー映画。二枚目専門だった片岡千恵蔵が滑稽な役どころを演じ、時代劇としては珍しい風刺劇になっている。原作者の志賀直哉が見て絶賛したという逸話は有名。
[編集] スタッフ
- 監督…伊丹万作
- 脚本…伊丹万作
- 原作…志賀直哉
- 音楽…高橋半
- 撮影…漆山裕茂