超変身コス∞プレイヤー
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『超変身コス∞プレイヤー』(ちょうへんしんコスプレイヤー)は、2004年1月から3月にかけて放送されたテレビアニメ(UHFアニメ)である。
なおこの記事では、『超変身コス∞プレイヤー』に引き続いて放送された『ヒットをねらえ!』・『LOVE♥LOVE?』についても取り扱う。これらの作品は、制作元であるm.o.e.のWebサイトで「変身3部作」と呼ばれており、その名のとおりそれぞれの作品が相互に関連していることから、3作品で一つであると言える。このことを勘案して、これら3作品について本項でまとめて扱うこととする。
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[編集] 概要
『超変身コス∞プレイヤー』『ヒットをねらえ!』『LOVE♥LOVE?』の変身3部作は、2004年1月から6月にかけて、『A15』枠内で放送された。また、『A15』枠と一体となって放映された『R15』枠では、一つ前の作品が再放送された。詳細は『A15』の項目を参照。
これら3作品は、劇中で登場する特撮番組である『超変身コス∞プレイヤー』を3つの視点から描くという独特の構想で制作されたコメディ作品である。すなわち、
- 超変身コス∞プレイヤー
- 視聴者の視点から見た『超変身コス∞プレイヤー』という劇中番組そのものを描いた作品。なお、その視点からは前後のつながりが破綻しがちで支離滅裂な内容を持った番組であることを印象付けるように描かれている。なお、後付けではあるが、アニメで放映された内容は劇中劇のダイジェスト版であるという設定が示されている。
- ヒットをねらえ!
- 制作者の視点から見た『超変身コス∞プレイヤー』という色物企画の特撮番組の制作過程を描いた作品。同番組の制作にあたり、局上層部やスポンサー等関連会社、芸能プロダクションなどに振り回される現場の苦労がコメディ調に描かれている。
- LOVE♥LOVE?
- 出演者・原作者の視点から見た『超変身コス∞プレイヤー』における内部の人間関係を描いた作品。お色気満載のラブコメ調ながら、登場キャラクターが色仕掛けによる出番獲得を試みたり、スキャンダルに巻き込まれたりと、かなりドロドロとした部分も描かれている。
というものである。
当初『超変身コス∞プレイヤー』の評価がその支離滅裂ぶりから極めて悪く、粗悪な萌えアニメだと揶揄されていたが、それも制作サイドから見れば次への布石であった。というのは、舞台が『ヒットをねらえ!』に移ると、その支離滅裂ぶりが主に劇中の番組スポンサーらによる横車等の結果であるということを視聴者は否応にも理解させられる、という構造になっているからである。それは計算されたある種自虐的なユーモアであると同時に、業界に対する痛烈な皮肉でもあった。もちろんこのような試みは極めて独特なものである。
その一方で、m.o.e.の作るUHFアニメの例に漏れず、これら変身3部作にはお色気要素がこれでもかと盛り込まれている。登場人物はドジ少女、お姉様、お嬢様、ロリ、オタク少女等々、オタクにウケそうな筋はあらかた押さえており、時にはかなり過激なエロ描写も辞さないなど、サービス精神旺盛な作品でもある。また、各作品はDVD化にあたって4話ずつ未放映のオリジナルストーリーが追加されているが、これらは特典としてその方面のサービスがより強められた形となっている。このため、これら3部作は結局萌えアニメやハーレムアニメにカテゴライズされることが多く、場合によってはエロアニメ(準18禁アニメ)とまで評される程である。
なお、『LOVE♥LOVE?』も当初は全8話の予定だったが(実際第8話はそれが最終回でも十分通じる内容である)、この作品のみ1話多い。これにあわせ、同時期の『R15』枠では『ヒット~』の再放送全8話に加え、『コス∞プレイヤー』の「最終回」として新作の第9話が放送されている。また、この新作が放映されたという事実は、『LOVE~』最終回の内容とリンクしている。
[編集] あらすじ
- 超変身コス∞プレイヤー
- コスプレ好きの女子高生である星野古都が、偶然邪神を復活させてしまい、その結果世界は魔物の徘徊する危機的状況に陥る。この状況を打破するため、彼女はコスモポリタンプレイヤー(略称:コス∞プレイヤー)と呼ばれる祈祷師の一人であるミコレイヤーとなり、仲間のコス∞プレイヤー達とともに敵と戦っていく。
- ヒットをねらえ!
- 刑事ドラマが好きで、その制作に携わることを志望して宝竹に入社した生田美月に、プロデューサーとしての初仕事が任されることになった。しかし、それは刑事ものではなく色物企画の特撮番組『超変身コス∞プレイヤー』であった。そして、彼女はどこか釈然としないものを感じつつ、慣れない中、関係者の気まぐれや横車に振り回されながらも、必死に番組作りに邁進していくことになる。
- LOVE♥LOVE?
- 堀興学園に通う大泉直人は、『超変身コス∞プレイヤー』の原作者を担当すると同時に、その立場を隠しつつ、出演者に密着してメイキングビデオを撮影する係を務めることとなった。それは、彼が好意を持っている同じクラスの八神菜摘がその番組に出演することになったからである。しかし、何故か彼は彼女以外の出演者の女性達からも次々と色っぽいアプローチを受けることになり、悶々としたバラ色の生活が始まることになる。
[編集] 主な登場人物
かっこ内に示したものは、『超変身コス∞プレイヤー』における変身前/後の役名。
- 八神菜摘(星野古都/ミコレイヤー役) - 声:松来未祐
- 生田美月 - 声:能登麻美子
- 大泉直人 - 声:宮野真守
- 桂木洋子(スカーレット・チャーチ/シスタレイヤー役) - 声:小林沙苗
- 城ヶ崎ヒカル(プリシラリヤ・シャマラン/サリーレイヤー役) - 声:大原さやか
- 今村さやか(レミューリア・シャリア/ラビアンレイヤー役) - 声:吉田真弓
- 早坂みく(イコ・スー/ディアンレイヤー役) - 声:浅井清己
- 久留米健治郎 - 声:草尾毅
なお、レイヤーのキャラクター名は、すべてスーパー戦隊シリーズのヒロイン名からきている。
- 八神菜摘=八神洋子(激走戦隊カーレンジャー)+志乃原菜摘(カーレンジャー)
- 桂木洋子=桂木ひかる(超電子バイオマン)+八神洋子(カーレンジャー)
- 城ヶ崎ヒカル=城ヶ崎千里(電磁戦隊メガレンジャー)+桂木ひかる(バイオマン)
- 今村さやか=今村みく(メガレンジャー)+渚さやか(電撃戦隊チェンジマン)
- 早坂みく=早坂アコ(鳥人戦隊ジェットマン)+今村みく(メガレンジャー)
[編集] スタッフ
- エグゼクティブプロデューサー:久米憲司
- プロデューサー:酒井明雄・芦田豊雄・あらかわまさのぶ
- 企画・原作:m.o.e.・IMAGIN・スタジオライブ
- 原案:久米憲司・荒川稔久・大島美和・松村やすひろ
- 監督:高橋丈夫
- シリーズ構成:荒川稔久
- キャラクターデザイン・総作画監督:大島美和
- アニメ制作:IMAGIN・スタジオライブ
- 美術監督:宮前光春
- 美術デザイン:中村光毅
- 色彩設計:中村近世
- 撮影監督:天花寺伸宏
- 編集:田熊純
- 音楽:佐橋俊彦
- 音楽ディレクター:澁谷知子・小川敬一
- 音響監督:高桑一
[編集] 主題歌
- 超変身コス∞プレイヤー
- 超変身! コス∞プレイヤー (オープニングテーマ)
- 歌:colors、作詞:荒川稔久、作曲・編曲:佐橋俊彦
- 未来への約束 (エンディングテーマ)
- 歌:亜波根綾乃、作詞:わたなべもも、作曲:青野ゆかり、編曲:有坂光弘
- 超変身! コス∞プレイヤー (オープニングテーマ)
- ヒットをねらえ!
- ヒットをねらえ! (オープニングテーマ)
- 歌:能登麻美子、作詞:荒川稔久、作曲・編曲:佐橋俊彦
- 届けたい夢 (エンディングテーマ)
- 歌:亜波根綾乃、作詞:わたなべもも、作曲・編曲:有坂光弘
- ヒットをねらえ! (オープニングテーマ)
- LOVE♥LOVE?
- (LOVE)∞ (オープニングテーマ)
- 歌:松来未祐、小林沙苗、大原さやか、吉田真弓、浅井清己、作詞:荒川稔久、作曲:佐橋俊彦
- ONLY YOU (エンディングテーマ)
- 歌:亜波根綾乃、作詞:わたなべもも、作曲:丸山武彦、編曲:有坂光弘
- (LOVE)∞ (オープニングテーマ)
『A15』枠での初回放送では、いずれの作品もオープニングを省略し、エンディングのみとなっていた(「LOVE♥LOVE?」の最終話を除く。この回はEDを流した後おまけ的にOPを流していた)。『R15』枠で再放送する際には逆にエンディングを省略し、オープニングが追加された。 なお、CS局AT-Xでの再放送はOP&ED有りの正式版が使われている。
『A15』で『ヒットをねらえ!』第1話が放映された際、初めて前作『超変身コス∞プレイヤー』が劇中劇であると判明したのだが、その回の『R15』で初公開された『コス∞プレイヤー』のオープニングは、スタッフや制作会社の表記がことごとく『ヒット』の作中人物名・会社名になっており、劇中劇であることが更に強調されていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アニメ作品 ち | UHFアニメ | 変身ヒロインアニメ | 2004年のテレビアニメ