車中泊
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車中泊(しゃちゅうはく)とは、自動車又は鉄道列車の車内で宿泊することをいう。車内泊(しゃないはく)とも。
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[編集] 自動車(バスを除く)
職業ドライバーが行程の中途でとる車内での仮眠をさす場合もあるが、一般ドライバーが何らかの理由でこの宿泊形態を選択した場合をさして、特にこのように呼ぶことが多い。但しオートキャンプとは別に定義される。
一般ドライバーに選択される理由は人により様々だが、例えば翌日に登山口から夜明け前に出発したいなどといった場所的・時間的な理由から選択される場合のほか、単純に宿泊代の節約といった経済的理由から選択される場合も多い。最近はこれ自体に趣味的意義を見出す人もおり、車を「生活する空間」として捕らえ、横になって寝られる車を購入し、さらに簡易トイレ・簡易水道・サブバッテリーを設置するなど改造を加え、数日かけて車中伯旅行することを趣味としている者もいる。キャンピングカーを購入・レンタルして、長期旅行する人も多い。
なお新潟県中越地震の際にも避難民の中に多数見受けられたが、これは避難所の耐震性への不安やプライバシーの問題等から選択された例で特殊なケースといえる。ここではエコノミークラス症候群が多発し、それに起因するとみられる死亡者まで発生して社会問題とされた。
一般には、自動車専用道路のサービスエリア及び道の駅の駐車場などでよく見受けられる。行程上の都合のほか、トイレが整備されていることや治安が保たれているように見える場合が多いことなどが主な理由とみられる。
[編集] バス
高速バスの夜行便の乗客が、座席で宿泊した場合にも、このようにいうことがある。 このほか貸切バスでも長距離を移動する際、車中で夜を過ごすことになる場合がある。
この場合、就寝時間を移動時間として使える利点がある。
[編集] 鉄道
夜行列車の乗客が、列車の座席又は寝台で宿泊した場合にも、このようにいうことがある。
この場合、就寝時間を移動時間として使える利点がある。
第二次世界大戦後、1946年から足掛け9年に渡り昭和天皇が日本全国を巡幸しているが、この際天皇は初めて車中泊したと伝えられている。
旧国鉄時代「修学旅行集約輸送臨時列車」が設定されていた頃には、運輸省(現国土交通省)により修学旅行における鉄道利用において「車中泊は一泊に限る」という制約が設けられていたようである。
近年では、一般的な国内旅行の形態が新幹線及び航空機の普及に伴い、移動は比較的短時間に済ませて宿泊はホテルなどの宿泊施設で行うというように変化したこと、さらに夜行の高速バスその他の交通機関の発達に伴い競合が生じたことなどから、夜行列車の需要が減少している。そのため以前に較べれば夜行列車の列車数も激減しており、鉄道における車中泊の機会は随分と減ってしまっている。
しかしながら、青春18きっぷ、北海道&東日本パス及び鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷなどといったトクトクきっぷを活用するために、鉄道旅行においても車中泊を選択しようとする人はいまだに多い。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 車中泊を楽しむ 著者;武内隆 出版社;地球丸 B6判192ページ