酢酸ビニル
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| 酢酸ビニル | |
|---|---|
| 一般情報 | |
| IUPAC名 | |
| 別名 | |
| 分子式 | C4H6O2 |
| 分子量 | 86.09 g/mol |
| 組成式 | |
| 式量 | g/mol |
| 形状 | 無色透明の液体 |
| CAS登録番号 | 108-05-4 |
| SMILES | |
| 性質 | |
| 密度と相 | g/cm3, |
| 相対蒸気密度 | （空気 = 1） |
| 水への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
| への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
| への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
| 融点 | ℃ |
| 沸点 | 72~73 ℃ |
| 昇華点 | ℃ |
| pKa | |
| pKb | |
| 比旋光度 [α]D | |
| 比旋光度 [α]D | |
| 粘度 | |
| 屈折率 | |
| 出典 | |
酢酸ビニル（さくさん―）は、ビニルアルコール(単独では存在しない)の酢酸エステルに相当する構造となっている。 CAS登録番号108-05-4 酢酸ビニールとも呼ばれるが、学術用語としては「ビニル」が正。 市販されている酢酸ビニル（モノマー）は光や熱で重合しないよう微量に重合阻害剤が添加されている。よって、重合実験などで使用する際は精製する必要がある。
目次 |
[編集] 性質
[編集] 物理的性質
特徴的な臭気を有する無色の液体。 分子量86.09 比重0.9312 融点-100.2℃ 沸点72~73℃
[編集] 化学的性質
過酸化物や光の作用で重合してポリ酢酸ビニルとなる(このため、通常はヒドロキノンなどの安定剤が添加される)。また、希酸またはアルカリにより加水分解すると、酢酸とアセトアルデヒドを生成する。
[編集] 生物学的性質
IARCの分類によれば、酢酸ビニルは「ヒトへの発がん性が疑われる物質（Group 2B）」と評価されている。マウスに対して高濃度（10,000ppm）で食道がんを発生した報告があるが、実際にヒトで発がん性を示す証拠は得られていない。
[編集] 製法
工業的製造法はつぎの三つに大別される。
今日では、エチレンと酢酸より合成する方法のみが実用に供せられており、他の方法は廃れている。
[編集] 用途
ほとんどが合成樹脂の原料として、ポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニル、もしくはエチレンとの共重合体の製造に使用されている。
[編集] ポリ酢酸ビニル
ポリ酢酸ビニル（ぽりさくさんびにる、polyvinyl acetate）は酢酸ビニルをラジカル重合することで得られる無色透明の熱可塑性樹脂である。略号としてPVAcが用いられる。
[編集] エチレン酢酸ビニルコポリマー
エチレン酢酸ビニルコポリマー（えちれんさくさんびにるこぽりまー、ethylene vinyl acetate copolymer）はエチレンと酢酸ビニルから合成される共重合体である。 酢酸ビニルユニットに起因する接着性と、柔軟さを持つ合成樹脂である。略号EVA
紙容器類のコーティング材（食品包装紙や紙コップなど）、布・紙ラベルの接着剤、エマルジョン系接着剤、チューインガムベース、人工芝、ビーチサンダルなどに利用されている。
[編集] ポリビニルアルコール
ポリ酢酸ビニルの酢酸エステル残基を加水分解すると、ポリビニルアルコールが得られる。略号PVA
ビニルアルコール（アセトアルデヒドのエノール互変異体）は分子構造が不安定で、これをモノマーとして重合することができないため、酢酸ビニルを経由して製造される。非常に親水性の高い合成樹脂である。 →記事：「ポリビニルアルコール」
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