鎌倉大草紙
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鎌倉大草紙(かまくらおおぞうし)とは、室町時代の鎌倉・古河公方を中心とした関東地方の歴史を記した歴史書・軍記物。康暦2年(天授6年/1380年)より文明11年(1479年)の100年間の歴史を記している。『太平記』を継承するという意味から太平後記の別称がある。全3巻。
戦国時代初期の作品と推定されている。作者は不明だが、東常縁と斎藤妙椿との和歌問答や享徳の乱によって千葉氏の嫡流となった所謂「下総千葉氏」の存亡の危機となった臼井城攻略戦で締めくくられており、千葉氏のかつての嫡流であった所謂「武蔵千葉氏」を擁護する記載が見られることから、武蔵千葉氏を支援して下総千葉氏と争った東常縁の関係者を著者と推定する説が有力である。また、永享の乱から結城合戦について扱った中巻は上巻・下巻とは文体などが違っており、早い時期に逸失して別の書籍(『永享記』の原本とされる『持氏記』か?)から補われたものと言われている。
上巻には上杉憲春の諫死事件に始まり、伊達政宗の乱・上杉禅秀の乱・小栗満重の乱、甲斐武田氏の内紛を扱い、中巻は永享の乱・結城合戦を扱い、下巻は享徳の乱を扱って臼井城の攻防で締めくくられている。