長浜仏壇
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長浜仏壇(ながはまぶつだん)とは、滋賀県長浜市で製作される仏壇のこと。濱仏壇、濱壇ともいわれる。
[編集] 起源・歴史
長浜市を中心とする地域は、熱心な真宗門徒の多い地域である。長浜には浄土真宗本願寺派・真宗大谷派の別院があり、とりわけ真宗大谷派の別院大通寺は長浜御坊として、近隣に名高く、また門徒は各家に立派な仏壇を競って作る風潮がある。
また長浜は近世より彦根藩の殖産政策によって、縮緬、蚊帳、仏壇などの製造業が繁栄し、伝統的な特産品として、いずれも頭に浜(濱)の字をつけて呼ぶようになった。よって長浜仏壇も略して濱仏壇・濱壇と呼ばれ、滋賀県内では彦根仏壇と並んで知られる。
長浜仏壇の原型は長浜八幡宮の曳山祭に繰り出される山車(だし)を模して作られたといわれる。この山車は豊臣秀吉の時代に作られたといわれ、藤岡和泉(重兵衛)が仏壇の様式に取り入れたとされる。
また、室町時代末期に名を馳せた国友の鉄砲の技術が曳山や長浜仏壇の金具に生かされている。
[編集] 特徴
欅の木地のままの塗り箔しない彫刻。 本来は鎹(かすがい)や釘などを使わず、全て指し物で組まれており、何度洗濯しても木地が傷ず長持ちする。
横幅サイズが他の産地に比べ一回り大きいにも関わらず、内陣は簡素化されており、広々とした印象。一間用の4尺8寸の仏壇が中心。