限定戦争
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限定戦争(げんていせんそう Limited war)とはある限定された政治目的を達成するために限定的な軍事力を使用した戦争の一形態である。
[編集] 概要
戦争はその規模や性質から全面戦争と部分戦争に大別される。全面戦争とはすなわち国家総力戦であり、国家の政治・軍事・経済機能の全てを戦争のために動員する戦争形態であり、第一次・第二次世界大戦はこの形態で戦われた。しかし核兵器という大量破壊兵器の出現によって全面戦争が核戦争に直結する時代となったため、米国の国際政治学者であるキッシンジャーが提起した戦争形態である。限定戦争では国家機能の大部分を平時のままに維持しながらも、限定的かつ特定の政治目的を達成するために、全軍事力を動員するのではなく、限定的な軍事力で作戦する。全面戦争では国家の滅亡をかけた戦いであるために敗北することは絶対に許されないが、限定戦争では特定の政治目的に限定されており、また手段も限定的であるために敗北も選択肢としてありうる。
[編集] 前提
限定戦争が成り立つ前提として、キッシンジャーは以下のような前提条件を挙げた。(1)限定戦争の軍事力は敵対者が既成事実を作るのを阻止するのに足りること。(2)ただし敵対者に全面戦争への前触れではないことを確信させるような性格であること。(3)敵対者に無条件降伏を強いない解決策について外交交渉する意志があることを、相手に伝える外交政策と結びつけること。つまり、限定戦争において軍事力を運用する形態には、戦闘を伴うことなく、軍事力の増強や移動によって相手国に自国の意志を示し、政治的な目的を達成する形態と、そしてもう一つは限定的な軍事力をもって戦闘を行うことにより、戦争を拡大しないように一定のレベルで制御しつつ政治的な目的を達成する形態がある。どちらにしても、相手国との外交的な接触を維持しつつ、政治的な判断によって軍事力を制御し、目標達成を目指すことが非常に重要であり、また相手国のそういったサインを見落とさないように注意を払わなければならない。
[編集] 関連項目
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