首都高速道路湾岸線
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首都高速道路湾岸線(しゅとこうそくどうろわんがんせん)は、湾岸道路(国道357号)に平行し、千葉県市川市から神奈川県横浜市金沢区に至る首都高速道路の路線である。 大型車の通行を考慮し片側3車線の道幅(辰巳JCT - 葛西JCT間は、片側4車線)と、他の首都高速の路線と比べ直線が長く、設計速度・規制速度が80km/h(東京港トンネル周辺は70km/h規制)となっているのが特徴(速度規制図)。道路構造令では第2種第1級に分類される。鶴見つばさ橋・横浜ベイブリッジはこの路線の橋である。
千葉から東京を通り越して神奈川へ至るという路線の性格上、「上り、下り」ではなく「東行き、西行き」で方向をあらわす。
また、首都高速道路の料金区間は「東京線」の料金区間と「神奈川線」の料金区間の2つに分けられているが、湾岸線においては、川崎浮島JCTがその境界になっている。
ただし、空港中央出入口・湾岸環八出入口両出入口から西行き横浜方面への走行する場合は、東京線の料金は必要なく、特定区間料金を支払えばよい。例えば、普通車(非ETC車)の場合、空港中央か湾岸環八から入って浮島までで降りた場合、特定区間料金のみの300円であり、空港中央・湾岸環八から浮島以遠の神奈川線を走行した場合は300円+600円(神奈川線料金)=900円が課金されることになる。空港中央・湾岸環八から東行き方面への特定区間料金の設定はない(料金は2006年現在)。
夜になるといわゆる走り屋が出没する(西行き浮島料金所から横浜方面の直線区間で最高速を競う、俗称湾岸族)。そのためもあってか、大黒PAや辰巳PAなどでは、芝浦PAなどと同様、頻繁に高速隊車両やパトカーが巡回している。いわゆる「走り屋」のみならず、夜の時間帯、西行きの本路線は、東京以西に自動速度取締機がなく、車線が多く、直線区間が非常に長く、速度が出やすいため、タクシーやトラックなどの商用車を中心に法定速度を大幅に超過して走行する車両が多いのが実情である。こうした速度違反に対しては、警視庁高速道路交通警察隊と神奈川県警高速交通警察隊が覆面パトカーなどで取締を行っている。
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[編集] 路線番号
- B (湾岸線の英語名Bayshore Routeの頭文字からとられたものである。)
[編集] ジャンクションとランプ
- JCT(1) 市川JCT(高谷JCT)(東関東自動車道に接続)(東京外環自動車道連絡予定)
- 012 千鳥町出入口/市川PA(西行き)/市川TB
- 011 浦安出入口(千葉方面出入口)
- 010B 浦安出入口(有明方面出入口)
- 010A 舞浜入口(有明方面入口)
- 009 葛西出入口(千葉方面出入口)
- 008 葛西出入口(有明方面出入口)
- JCT 葛西JCT(C2 中央環状線に接続)
- 007 新木場出入口(千葉方面出入口)
- 006 新木場出入口(有明方面出入口)
- JCT 辰巳JCT(9号深川線に接続)
- 005 有明出入口
- (JCT 有明東JCT)(10号晴海線接続予定)
- JCT 有明JCT(11号台場線に接続)
- 004 13号地出入口
- 003B 大井出入口
- PA 大井PA(東行き)
- JCT 大井JCT(湾岸線→1号羽田線上りへ連絡)((C2)中央環状線(品川線):事業計画中)
- 003A 大井南出入口(有明方面出入口)
- 002 大井南出入口(羽田方面出入口)/大井TB(有明方面設置)
- PA 大井PA(西行き)
- JCT 東海JCT(千葉方面⇔湾岸分岐線の連絡)
- B17 空港中央出入口 (有明方面出入口)
- B16 空港中央出入口(本牧方面出入口)
- B14 湾岸環八出入口
- JCT(1) 川崎浮島JCT(神奈川6号川崎線・東京湾アクアラインに接続)
- B11 東扇島出入口(羽田方面出入口)
- B10 東扇島出入口(本牧方面出入口)
- JCT 大黒JCT(神奈川5号大黒線に接続)
- JCT 本牧JCT(神奈川3号狩場線に接続:狩場線・本牧ふ頭出入口相互間は利用できない)
- B07 本牧ふ頭出入口
- B06 三渓園出入口
- B05 磯子出入口(屏風ヶ浦バイパス)
- B03 杉田出入口(本牧方面出入口)
- B02 杉田出入口(並木方面出入口)
- 鳥浜町本線料金所(有明方面設置)
- B01 幸浦出入口(本牧方面出入口:横浜横須賀道路金沢支線に接続)
[編集] 主なトンネルと橋
- 東京港トンネル (13号地出入口 - 大井出入口)
- 空港北トンネル (東海JCT - 空港中央出入口)
- 多摩川トンネル (湾岸環八出入口 - 川崎浮島JCT)
- 川崎航路トンネル (川崎浮島JCT - 東扇島出入口)
- 鶴見つばさ橋 (東扇島出入口 - 大黒JCT)
- 横浜ベイブリッジ (大黒JCT - 本牧JCT)
(西行きでの順)
[編集] 本牧JCTの改良
以前、本牧JCTは大黒方面と神奈川3号狩場線との連絡ができるが、杉田出入口方面と連絡ができなかった。これは、構想されていた神奈川磯子線によって連絡が可能になる予定であったが、現実には建設されなかったためである。その不便さを解消するため、本牧JCTで神奈川3号狩場線との連絡が可能になるように改良され、2004年12月22日15時に開通した。 しかしながら、本牧ふ頭出入口⇔神奈川3号狩場線の連絡は出来ない。
[編集] 歴史
- 1976年(昭和51年)8月12日:大井JCT~13号地出入口開通・東京港トンネル開通。
- 1978年(昭和53年)1月20日:新木場出入口~浦安出入口開通。
- 1980年(昭和55年)2月:辰巳JCT~新木場出入口開通。
- 1981年(昭和56年)5月:辰巳JCT~有明出入口開通。
- 1982年(昭和57年)4月27日:浦安出入口~高谷出入口開通。
- 1983年(昭和58年)2月:東海JCT~大井JCT開通。
- 1984年(昭和59年)12月:13号地出入口~有明出入口開通。
- 1989年(平成元年)9月27日:本牧ふ頭出入口~大黒JCT開通・横浜ベイブリッジ開通。
- 1993年(平成5年)9月:空港中央出入口~東海JCT開通。
- 1994年(平成6年)12月21日:空港中央出入口~大黒JCT開通・鶴見つばさ橋開通。
- 1997年(平成9年)12月12日:浮島IC開通。
- 1997年(平成9年)12月18日:東京湾アクアラインと接続。
- 1999年(平成11年)7月15日:並木出入口~杉田出入口、三渓園仮出入口~本牧ふ頭出入口開通。
- 2001年(平成13年)10月22日:本牧ふ頭出入口~幸浦出入口開通により全線開通。
[編集] 自動速度取締機
首都高速湾岸線には、以下の地点に自動速度取締機が設置されている(2007年1月現在)。