首都高速道路
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種類 | 株式会社 |
略称 | 首都高、SHUTOKO |
本社所在地 | 100-8930 東京都千代田区霞が関一丁目4番1号 |
電話番号 | 03-3502-7311 |
設立 | 2005年10月1日 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 高速道路、自動車専用道路の管理運営 |
代表者 | 代表取締役会長 長谷川康司 代表取締役社長 橋本鋼太郎 |
資本金 | 135億円 |
従業員数 | 1,250名 |
主要子会社 | 首都高速道路サービス 100% |
外部リンク | http://www.shutoko.jp/ |
首都高速道路(しゅとこうそくどうろ、英称:Metropolitan Expressway)は東京都区部とその周辺地域に路線網を有する有料の自動車専用道路(都市高速道路)である。
また、首都高速道路株式会社(しゅとこうそくどうろかぶしきがいしゃ、Metropolitan Expressway Company Limited)は上記を建設、維持・管理する株式会社(2005年10月1日に公団から民営化)である。
首都高速道路の各路線は、道路法で定める都県道(東京、神奈川、埼玉、千葉)または市道(横浜、川崎)であり、道路構造令で「都市部の自動車専用道路」(第2種第1級・第2級)に分類される。
首都高速道路は、一般には首都高速、首都高と呼ばれる。「首都高(Shutoko)」はこれまで通称であったが、民営化を機に新会社が自らの略称として積極的に使用し始めた。なお、道路標識上のアルファベット表記は「SHUTO EXPWY」のままとなっている。
目次 |
[編集] 首都高速道路株式会社
首都高速道路株式会社は2005年10月1日、高速道路株式会社法により設立された。 日本道路公団等民営化関係法施行法により、首都高速道路公団の業務を日本高速道路保有・債務返済機構とともに承継した。
政府及び地方公共団体が常時3分の1以上の株式を保有する特殊会社で、当分の間政府から債務保証を受ける。一方、営業年度毎の事業計画や社債の募集、資金の借入については国土交通大臣の認可を要する。
また会社は機構との協定にしたがい、政令で定められた機構への出資金・補助金の中から、建設費の一部につき無利子貸付が受けられる。
[編集] 業務
従来の首都高速道路の範囲(東京高速道路管理の一部区間を除く)において、機構と締結した協定に基づき以下の業務を行う。
- 高速道路の新設又は改築。完了時には、道路資産と債務がともに機構に帰属する。
- 機構の保有する道路資産を有償で借り受けての、かかる高速道路の管理。
いわゆる上下分離方式を採用した中での「上」に相当する。
[編集] 路線
首都高速には以下の路線がある。
なお、同一路線について法定の「都市計画」・「基本計画」・「事業計画」の各事業段階において(それぞれ若干異なる)路線名がつけられているが、路線案内上の分かりやすさを確保するために、一般に標識などに案内されるのは「路線呼称」による路線名と「ルートマーク(路線番号・記号)」である。
ここでは基本的にこの路線呼称とルートマークを見出しに記載した。
[編集] 東京線
[編集] 環状線
- C1 高速都心環状線 (江戸橋JCT~浜崎橋JCT~谷町JCT~三宅坂JCT~江戸橋JCTの環状線と、東京高速道路株式会社線接続部)
なお、「C1(circular route 1)」は路線番号、「高速都心環状線」は案内上の「路線呼称」であり、法定基本計画上の路線名は、区間により次のように細分化されている。
<図参照:Q&A(その他)/首都高速道路株式会社>- 都道首都高速1号線 (江戸橋JCT~京橋~汐留JCT)
- 都道首都高速1号線、2号線が重複 (汐留JCT~浜崎橋JCT)
- 都道首都高速2号線 (汐留JCT~浜崎橋JCT~一ノ橋JCT)(汐留JCT~浜崎橋JCTは1号線と重複)
- 都道首都高速2号分岐線 (一ノ橋JCT~谷町JCT)
- 都道首都高速3号線 (谷町JCT~三宅坂JCT)
- 都道首都高速4号線 (三宅坂JCT~神田橋JCT)
- 都道首都高速4号分岐線 (神田橋JCT~江戸橋JCT)
- 都道首都高速8号線 (京橋JCT~東銀座):東京高速道路株式会社線接続部の0.1km
- C2 高速中央環状線 (板橋JCT~江北JCT~小菅JCT~堀切JCT~葛西JCT)
なお、中央環状線も正式名称は細分化されている。- (都道首都高速品川目黒線 (大井JCT~大橋JCT)建設予定)
- (都道首都高速目黒板橋線 (大橋JCT~熊野町JCT)建設中)
- 都道首都高速5号線 (熊野町JCT~板橋JCT)
- 都道首都高速板橋足立線 (板橋JCT~江北JCT)
- 都道首都高速葛飾川口線 (江北JCT~小菅JCT)
- 都道首都高速6号線 (小菅JCT~堀切JCT)
- 都道首都高速葛飾江戸川線 (堀切JCT~葛西JCT)
[編集] 放射線
- 基本計画の「都道首都高速1号線」は入谷~江戸橋JCT~京橋~浜崎橋JCT~羽田と連続している。
- 2 高速2号目黒線 (一ノ橋JCT~荏原/戸越)
- 基本計画の「都道首都高速2号線」は新橋~汐留JCT~戸越。また一ノ橋JCT~谷町JCTを2号分岐線という。
- 基本計画の「都道首都高速3号線」は三宅坂JCT~用賀。
- 基本計画の「都道首都高速4号線」は西銀座JCT~神田橋JCT~三宅坂JCT~高井戸。また神田橋JCT~江戸橋JCTを4号分岐線という。
- 基本計画は、高島平以南が「都道首都高速5号線」、高島平以北が「都道首都高速板橋戸田線」および「埼玉県道高速板橋戸田線」。
- 基本計画は、加平以南が「都道首都高速6号線」、加平以北が「都道首都高速足立三郷線」および「埼玉県道高速足立三郷線」。
- 基本計画は「都道首都高速7号線」
- 首都高速8号線 (京橋JCT~東銀座) 基本計画としては「都道首都高速8号線」が存在するが、一般に案内される路線呼称としてはC1高速都心環状線の一部である。C1を京橋JCTから分岐して東京高速道路株式会社線に入るまでの約0.1km区間。
- 9 高速9号深川線 (箱崎JCT~辰巳JCT)
- 基本計画は「都道首都高速9号線」
- 11 高速11号台場線 (芝浦JCT~有明JCT)
- 基本計画は「都道首都高速11号線」
- 基本計画名は「都道首都高速葛飾川口線」および「埼玉県道高速葛飾川口線」で、川口線の川口JCT~江北JCTと、中央環状線の江北JCT~小菅JCT。
[編集] その他の路線
- 基本計画の路線名は神田橋JCT~西銀座JCTが「都道首都高速4号線」、新橋~汐留JCTが「都道首都高速2号線」
- 基本計画の路線名は「都道首都高速湾岸線」、「神奈川県道首都高速湾岸線」および「千葉県道首都高速湾岸線」
- B 高速湾岸分岐線 (昭和島JCT~東海JCT)
[編集] 神奈川線
- K1 高速神奈川1号横羽線 (羽田~生麦JCT~金港JCT~石川町JCT)
- 基本計画は「神奈川県道高速横浜羽田線」および「都道高速横浜羽田線」
- K2 高速神奈川2号三ツ沢線 (金港JCT~三ツ沢JCT→第三京浜・横浜新道に接続)
- 基本計画は「横浜市道高速1号線」
- K3 高速神奈川3号狩場線 (本牧JCT~石川町JCT~狩場JCT→横浜横須賀道路・保土ヶ谷バイパスに接続。横浜新道に新保土ヶ谷ICを介して接続)
- 基本計画は「神奈川県道高速横浜羽田線」(本牧JCT~石川町JCT)および「横浜市道高速2号線」(石川町JCT~狩場JCT)
- K5 高速神奈川5号大黒線 (生麦JCT~大黒JCT)
- 基本計画は「横浜市道高速湾岸線」
- K6 高速神奈川6号川崎線 (殿町~川崎浮島JCT) 殿町~大師JCT~富士見は建設中
- 基本計画は「川崎市道高速縦貫線」
- 基本計画は「神奈川県道高速湾岸線」
[編集] 埼玉線
- 基本計画は「埼玉県道高速さいたま戸田線」
[編集] 通行料金
- 3つの料金圏内でそれぞれ均一料金制となっている(普通車/普通車ETC利用車/大型車/大型車ETC利用車)。
- 東京線:700/660/1,400/1,320円、神奈川線:600/570/1,200/1,140円、埼玉線:400/380/800/760円
- 路線の端末部分や料金圏境で特定料金が設定されている区間がある。
- 特定料金区間(1):300/280/600/560円、特定料金区間(2):500/470/1,000/940円
- 全ての料金所でETCが使用できる。また、ETC限定の特定料金や割引料金が設定されている区間があり、上記の特定料金区間(2)は全てETC限定である料金のご案内(通行料金)。
[編集] 通行料金の推移
1962年に京橋〜芝浦間が開通して以来延伸を続け、それに伴い通行料金も上がり続けている。以下は首都高速東京線の普通車の料金である。
- 1962年- 50円
- 1963年- 100円
- 1964年- 150円
- 1970年- 200円
- 1974年- 250円
- 1976年- 300円
- 1980年- 400円
- 1985年- 500円
- 1987年9月10日- 600円
- 1994年5月9日- 700円
このほか、2002年7月には神奈川線が500円から600円へ値上げされ、中央環状王子線が開通した2002年12月には東京線が800円に値上げされる案があったが、こちらは廃案となっている。
また、2008年度を目処に、距離制の料金へ移行する予定である。ETCが原則となるが、一般車への救済措置も検討中。また、長距離では現行料金と比べて高額となることも予想されるため、新たな割引制度も検討されている。
[編集] 建設中路線
(路線呼称は未定のため事業計画上の名称)
- 首都高速中央環状新宿線 大橋JCT(3号線・中央環状品川線)~熊野町JCT(5号線)
- 都市高速道路中央環状品川線 大井JCT(湾岸線)~大橋JCT(3号線・中央環状新宿線)
- 首都高速晴海線 有明東JCT(湾岸線)~晴海
- 高速横浜環状北線 生麦JCT(横羽線・大黒線)~第三京浜・港北IC
- 高速川崎縦貫線 殿町(川崎線)~大師JCT(横羽線)~富士見
[編集] 計画路線
以下の路線は都市計画決定済みであるが事業者は未定であり、首都高速道路になるとは限らない。
- 晴海~築地付近(都心環状線接続)間。建設中の首都高速晴海線(有明東JCT~晴海)の延伸部。
- 参考サイト:東京都港湾局
- 第三京浜・港北IC~東名高速・横浜青葉IC間。横浜市・国土交通省等により住民参加のPI手法を導入して計画検討中。
- 参考サイト:横浜市道路局
また、以下の路線は国土交通省の計画案、東京都等の計画案等にある構想路線であるが、事業者は未定で首都高速になるとは限らない。建設時期・建設計画等も未定であり、事業化される見通しも不明である。また路線名は仮称。
- 高速1号上野線の延伸部(中央環状線まで→高速川口線へ接続)
- 高速2号目黒線の延伸部(第三京浜接続他)
- 練馬線(関越道接続):元の計画は「首都高速道路10号練馬線」。関越道から中央環状新宿線に接続し、更に内環状線に接続する計画であった。
- 高速北千葉線(北千葉道路接続)中央環状線江戸川付近から北千葉道路に接続する。元の計画は「首都高速道路11号北千葉線」
- 上記2路線の計画が存在したため、11号台場線は、建設中は「12号線」と呼ばれていた。
[編集] 備考
首都高速道路は都市高速道路であり、都市間高速道路(東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路管理の高速自動車国道など)とは性格が異なるため、設計速度・規制速度は、湾岸線や埼玉県内などの一部路線・区間を除き、多くの区間で60km/h以下となっている(速度規制図)。
また、自動二輪二人乗りも事故防止の観点から都心環状線を中心に一部区間で規制されている(自動二輪車の二人乗り規制)。
路線は、都市内の一般道路上や運河などの公共用地を最大限利用して既成市街地の制約の下で計画設計・建設されているため、必然的に道路の幾何構造(曲線半径や勾配など)が道路法(道路構造令)で定められる限界値となっている箇所や、出入口やJCTの分合流が左右両側の車線に行われる箇所がある。そのため、短区間で交通が合流したのち分岐する「織込み」が発生する箇所があったり、道路標識が複雑であったりすることがある。また、原則はキープレフトであるが、走行車線/追越車線という概念はない。
東名高速・中央道などの都市間高速道路から首都高速道路に流入する場合は、上記の「都市高速道路」としての性格を理解して、分合流や交通の織込み、走行速度に注意が必要である。
なお首都高速道路が片側2車線である理由についてだが、当初日本政府は東京オリンピックに向けて3車線での建設を計画していたが、建設資金を世界銀行から融資を受ける際に「第二次世界大戦の敗戦国がそのような道路を作る必要はない」という理由で減額されたために現状の姿になった、と宮沢喜一元首相(当時大蔵省官僚)が回顧している。
[編集] 首都高速道路を舞台にした映画・小説・漫画・ゲームソフトなど
- 誘拐
- 首都高速トライアル ルーレット族なる飛ばし屋が都心環状線を飛ばした。
- 惑星ソラリス
- 首都高バトルシリーズ
- 湾岸ミッドナイト
- 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(※台場線レインボーブリッジが舞台だが、実際は開通前の京滋バイパスで撮影が行われた)
- ゴジラVSモスラ - モスラによって派手に破壊される。
- ゴジラ2000 ミレニアム - ゴジラと宇宙怪獣の戦いで破壊される。
- 完全走破!日本縦断2002キロ高速道路の旅 - 走行の途中で首都高速道路を通過している
[編集] 関連企業
- 首都高速道路サービス(首都高速道路管内のパーキングエリアを管理する企業)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 関係法令
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