鳥島 (長崎県)
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鳥島(とりしま)とは、東シナ海に浮かぶ無人島である。住所は長崎県五島市鳥島。福江島の南西約60km、男女群島から北西方向に35kmの海上に位置する。全国各地にある「鳥島」と区別するために肥前鳥島(ひぜんとりしま)が俗称となっている。
[編集] 概要
北岩、中岩、南岩の3つの岩礁からなる。この島から西側の海域は韓国の海域であり「国境の島」でもある。存在は古くから知られており、海図や歴史史料などにも明記されていた。行政により登記簿に記載されたのは1970年。福江市鳥ノ島として登記された。2006年、国土地理院などの働きかけで「鳥島」が統一呼称となった(登記簿は鳥ノ島)。
[編集] 観光
この岩礁は底物の釣果に恵まれる釣り場であり、釣り人にすれば「憧れの磯」である。しかしながら、海況、天候に阻まれ上陸のチャンスが限られているという。シーズン中の3月から6月までは五島列島の渡船組合が瀬渡しを行っているため、民間人でも渡航可能である。
[編集] 排他的経済水域
この島は、日韓両国政府から国連海洋法条約による「島」には該当せず「岩」として、排他的経済水域策定のための起点にされていなかった。これは面積が50平方㎡ にすぎなかったためである。
しかし、2006年6月に開かれた日韓間の排他的経済水域(EEZ)境界線画定交渉において、韓国政府が同様に岩として起点にしていなかった竹島を、従来主張していた鬱陵島から変更すると主張したため、日本政府も対抗して日本側EEZの基点として肥前鳥島を主張する意向を韓国側に伝えたという。
もし仮に、日本が韓国側の竹島基点を容認するかわりに肥前鳥島を韓国側がすれば、韓国側のEEZが約2万平方キロメートル従来よりも増えるのに対し、もし肥前鳥島が基点と認めることで日本側が獲得するEEZは3万6000平方キロメートルになるという。しかもこの海域は尖閣諸島周辺海域と同様に海底油田が存在する可能性があるという。しかしながらいずれの主張も可能性にすぎないといえる。