鴨緑江
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鴨緑江(おうりょっこう、中国語:鸭绿江、(Yālǜjiāng)、朝鮮語:압록강(鴨綠江)、(Amnokkang)(アムロッカン/アムノッカン)は中華人民共和国の東北と朝鮮民主主義人民共和国との国境となっている川。全長790km。流域面積31739km²。水の色が鴨の頭の色に似ていると言われた事からこの名前がある。そして、鴨がよく出現する。
鴨緑江は水源を白頭山(ペクトゥサン)に発し、中国と北朝鮮の国境に沿って流れ、黄海に注ぐ。北岸は中国吉林省、遼寧省となり、南岸は北朝鮮慈江道、両江道、平安北道の地である。川沿いの主な町としては中国側に臨江、集安、丹東があり、朝鮮側に慈城、満浦、楚山、新義州市がある。
朝鮮半島の日本統治時代、日本によって中流域に当時アジア最大級の水豊ダムが建設され、水力発電を行っている。ここで発した電力が現在でも北朝鮮の重要なエネルギー源となっている。
古くより朝鮮半島・中国大陸・満州(東北)の接点として重要であった。三国時代には中流域に高句麗が丸都城を置いた。日露戦争時には日本軍とロシア軍が、朝鮮戦争時には国連軍と中国・北朝鮮軍が激戦を繰り広げた。
近代以前にもしばしば同河川は歴史の舞台となっており、たとえば高麗王朝末期に朝鮮王朝太祖の李成桂(イ・ソンゲ)将軍が政府に反旗を翻したのは鴨緑江の中洲、威回(ウィファ)島だった。