鶴仙渓
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鶴仙渓(かくせんけい)は石川県山中町にある渓谷。大聖寺川の中流にあり、後述する「こおろぎ橋」から「黒谷橋」に至るまでの、約1kmの区間を指す。砂岩の浸食によって数多くの奇岩が見られる景勝地であり、また山中温泉の温泉街を横切るため、温泉客の散策地としても人気が高い。
奇岩としては烏帽子岩、蛙岩、弁慶岩などがあるが、後述する3つの橋が有名である。
[編集] 鶴仙渓の橋
鶴仙渓は、3つの個性的な橋がよく知られる。
- こおろぎ橋
- 鶴仙渓の一番上流に架かる総檜造りの橋で、全長は21m。鶴仙渓、または山中温泉のシンボルとしてよく登場する。名前の由来は昆虫のコオロギであるとも、行路が険しいことから「行路危」であるとも言われるが、詳しいことは不明である。
- あやとり橋
- こおろぎ橋より更に800m下流に架かる橋。橋は平仮名表記が普通。デザインを施したのは、華道草月流家元の勅使河原宏で、竜がうねりを見せるような独特の形に、鮮やかな赤紫が目を引き、強烈なインパクトを与える。ただし、あまりの奇抜な意匠ゆえに、温泉情緒にそぐわない、風景に一致していないなどという批判意見も強い。
- 黒谷橋
- あやとり橋から更に500m下流に架かる橋。コンクリートアーチ橋で全長36m。白を基調とし、大正時代を思わせるようなレトロ調の意匠が特徴で、欄干と親柱は御影石を使用、床板は小石を洗い出ししているなど、工夫が凝らされている。