麻雀狂列伝 -西日本編-
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『麻雀狂列伝 -西日本編-』(まあじゃんきょうれつでん -にしにほんへん-)は、1990年にSNKよりアーケードゲーム筐体Multi Video System用として発売された2人打ち麻雀ゲーム。
家庭用ネオジオでは1991年7月1日に発売されている。
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[編集] 概要
主人公(以下、説明のため名前は主人公とする)は大阪のキタでは名の売れた雀士。麻雀の腕を磨きながら、幼い頃から一緒で、今は麻雀で生計を立てていると言う兄を探す旅に出る。西日本編というタイトルであるが、東日本編は作られていない。
[編集] ゲームシステム
ゲーム開始時に4文字の名前、顔の形、髪型、目、鼻、口、眼鏡、髭を選択して主人公を作成することができる。当時のアーケードゲームでは斬新なシステムであるが、現在のアーケードゲームの様にカードに記憶させることができない上に、名前選択に(実時間よりもあきらかに短い)14秒、その他を14秒以内に選択しなければならず、多くの場合意味不明な名前と相当不細工な主人公が誕生した。
ゲームは全て2人打ちであるが、持ち点が相手2500P(Pは点と同じ単位)主人公2000Pという悪条件で開始する。ハコテンになるか、1局ごとの終了時に0点以下だと負け(主人公だとゲームオーバー)になる。また、リーチ時に1000P無ければ借りる(点数はマイナス表記)事ができる。後付けあり、喰い断なし。裏ドラはあるが、それ以外のドラはない。
麻雀の時間を除いた会話、イベントの持ち時間として最初に3分が与えられるが、あがる役に応じてBONUS時間がプラスされてゆく。この時間が0になれば自動的にゲームオーバーとなる。会話、イベント時にBボタンを押して飛ばすことでこの時間消費を抑えることができる。なお、コンテニュー時には同じく3分からカウントが始まる。
得点の高いツモあがりではランダムで別画面に切り替わり、効果音と共に主人公があがり牌を打つシーンが見られる。
[編集] 究極の必殺技
理牌された時点でポイント牌というランダムに決定されたハイを自動的に知らせてくれる。この牌を使ってあがるか、流れた場合はその所有枚数によってポイントが加算される。ポイントは2以上になると次の局で「究極の必殺技」という裏技を使うことができる。また、この必殺技はポイントがいくつあっても1度に1回しか使用できない。なお、このポイントはコンティニューした後も引き継がれるため、まともに勝負をするよりポイントをためながら相手を一気にハコテンにさせる戦法も存在する。
技名 | 必要ポイント | 効果 |
---|---|---|
牌交換 | 2PTS | 理牌された後、好きな枚数を交換する |
ラストチャンス | 3PTS | 流局直前に当り牌をツモってくれる |
竜巻ヅモ | 4PTS | テンパイ時に当り牌をツモってくれる |
牌透視 | 6PTS | 相手の牌が透けて見える |
平和ツミコミ | 2PTS | 平和の積み込みをしてくれるが、完璧ではない |
断ヤオツミコミ | 4PTS | 断ヤオの積み込みをしてくれるが、完璧ではない |
混一色ツミコミ | 6PTS | 混一色の積み込みをしてくれるが、完璧ではない |
清一色ツミコミ | 8PTS | 清一色の積み込みをしてくれるが、完璧ではない |
??? | 10PTS | 役満の積み込みをしてくれるが、完璧ではない |
[編集] ゲームステージの流れ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 第一対局ステージ 大阪
- 対戦相手その1.村田さん
- プレイヤーと同じく、大阪キタにある雀荘「天道」の常連である村田さん。勝ったら取引先の女の子を紹介してくれる。
村田さんに勝利すると約束どおりクラブ「YUKI」へ行き、白鳥麗子と出会う。麗子とは以前からの恋人の様に気が合い、二人で店を抜け出す。そして二人は付き合いだす。
白鳥麗子は主人公のことを父親である白鳥宗一郎に伝える。白鳥宗一郎は白鳥グループを所有する大物であり、主人公をホテル「ヒラトン」へと呼び出す。
- 対戦相手その2.白鳥宗一郎
- 宗一郎は麻雀での勝負を持ちかけ、自分に負ければ麗子から手を引き、勝ったら娘との仲を許すことを約束する。
白鳥宗一郎に勝利すると彼は兄の情報を持っている「平和組」へ話をつけてくれる。
- 対戦相手その3.村田さん(2回目)
- 神戸へ行く旅費を稼ぐため「天道」で再度村田さんと勝負する。村田さんには毎回「プレイヤーはん 1000G程やりますか?」と尋ねられる。「はい」を選択するとその局であがれば1000Gを手に入れるが、逆に村田さんにあがられるとマイナス1000Gとなる。次のステージ(神戸)に行くには2000G必要で、もし勝負がついても2000G無ければ、「あとXXXXG足りない」と言って2000G手にするまで村田さんと勝負しなければならない。
[編集] 第二対局ステージ 神戸
麗子を大阪に置いて一人で神戸にやってきた主人公は、平家組の組長である平家小五郎から情報を入手する。とりあえずその日は神戸一レートの高い雀荘「エンペラー」へと向かう。
- 対戦相手その4.平家響子
響子に勝利したあと、二人で神戸の町を歩いていると二人組みのチンピラに襲われる。裏通りへ連れて行かれ、お金を巻き上げられそうになるが、響子の正体を知った二人組は逃げてゆく。
響子の家へ行き、これからという時に平家小五郎が登場し、響子は小五郎の妻という事が判明する。小五郎は激怒し、主人公に今度の代打ちを約束させる。
- 対戦相手その5.代打ち
- 平家組の抗争に巻き込まれた主人公はいつもは受けない代打ちをしぶしぶ引き受ける。対戦相手は無口でこれと言った特徴の無いキャラクター。
[編集] 第三対局ステージ 広島
珍老頭を探して広島へ来た主人公。ツキまくっていたのをいいことに珍老頭に勝負をいどみ、負けた俊の情報を得る。俊は珍老頭に敗れたあとツキに見放される。両親が居ないが、高校生の妹が兄を養っている。
- 対戦相手その6.俊
- 運良く俊に出会うが、珍老頭を見かけないということが分かる。俊は大阪から来た主人公に興味を示し、自分に勝てば妹を一晩あずけると勝負を持ちかける。周りの人は必死に止めようとするが、妹自身「これで負ければきちんと働く」という条件を兄に突き出して勝負を薦め、俊のアパートで対局する。
俊との勝負後宮島へ行く。土産屋で珍老頭が博多へ稼ぎに行ったという情報を得る。
[編集] 第四対局ステージ 博多
産まれ故郷の博多へ帰ってきた主人公。育ての親である(長浜)ラーメン屋のおばちゃんから、珍老頭の情報を得る。
- 対戦相手その7.珍老頭
- おばちゃんに情報を得た主人公は西中洲の雀荘「九蓮宝燈」へでかける。珍老頭がすぐに相手をしてくれる事になり、その打ち手からなにかを得ようとする。珍老頭からは、今度の相手である「中洲の龍」とは命をかけた大勝負である事を知らされる。
珍老頭に勝利した主人公は、ラーメン屋に戻り明日の勝負への緊張を酒で紛らわせようとする。かなり酔った主人公は大濠公園へ行き、幼い頃の知り合いに会う。
- 対戦相手その8.中州の龍
- 最強のボスキャラクター、中州の龍。四暗刻、地和など役満をあがる事が多いが、その役に対してもさらに混一色や清一色とドラなど現実にはありえないあがり方をする。数ある麻雀ゲームでも最高位に君臨するのは、対局開始時に相手30000Pで主人公2000Pという悪条件もさることながら、ゲームオーバーになるとコンティニューができないという仕様による。
長年探しつづけた兄、中州の龍を倒したあと主人公は生きる目標を無くす。そこへ行方不明だった麗子が船から降りてくる。麗子は響子が主人公を代打ちへ引き込むワナにかけたことを教え、あなたのことが忘れられないため、一緒に暮らそうと提案する。その愛に打たれた主人公は麻雀から足を洗い、二人で幸せに暮らす事を決意する。
二人が大阪へ向かうフェリーから博多と夕焼けをバックにスタッフロールが流れる。
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