黄銅鉱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
黄銅鉱(おうどうこう、キャルコパイライト、ChalcoPyrite)は銅の硫化鉱物の一つ。
銅と鉄、硫黄からなる。化学組成:CuFeS2で表される。比重:4.28、モース硬度:3.5~4、晶系:正方晶系。色は普通真鍮様の黄色であるが、かなり黄色味の薄いものも珍しくは無い。そのようなものはしばしば黄鉄鉱と見分けるのが難しい。
最も重要な銅の鉱石鉱物。微量の金、銀、錫、亜鉛などを含み、少量のニッケルやセレンを含むものもある。
正方晶系で、主に正四面体様の結晶形を示す。色は真鍮色で金属光沢を持つ。条痕色は緑黒色。外見は黄鉄鉱と似るが、条痕色により区別できる。
結晶の形は普通、6面体、5角12面体、8面体を基本に、2個の結晶がくっついた双晶になっている事が多い。また、結晶にならずに塊状で採掘されることもある。表面の色は時間とともに変わりやすく、黒みを帯びていく。その他の大きな特徴としては、硝酸に溶ける、炎にあてると緑色の炎色反応を示す、などがあげられる。
英名である「キャルコパイライト」は、ギリシャ語で銅を意味する「キャルコ」と、火を意味する「プリテス」とが組み合わさったもの。
黄銅鉱という名前だが、これを精錬して黄銅(真鍮)をとる訳ではない。
河川の砂礫中に上流の鉱脈から洗い出された黄銅鉱が堆積することもあり、しばしば砂金と間違われる。