21世紀はバイオの時代
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20世紀が「エレクトロニクスの時代」と言われるのに対し、「21世紀はバイオの時代」と言われることがある。これは、21世紀に入りバイオテクノロジーが注目されたことをさして使われた言葉である。
以下では特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。
目次 |
[編集] 概要
バイオテクノロジーが注目されたのは、技術が発達することによって食料・環境・エネルギー等の分野に大きな影響を及ぼすと考えられたため。バイオ技術は、従来より発酵分野で使用されてきた(例えば、宝酒造やキッコーマンなどは早くからバイオ技術に取り組んでいる)。さらに20世紀後半の技術進歩により、多岐にわたる分野での応用が期待されている。一方で、遺伝子組み換え作物、クローン技術など、安全面、倫理面などで賛否両論となる部分もある。
国家レベルでは、欧米日をはじめ、各国で関連分野に予算等が投じられており(米国:2003年には約3.3兆円。日本:2002年には4,400億円)、研究会議などが設立されている(米国:NIH。英国:MRC)[1]。
市場規模は、例えば2001年時点で米国3兆円、欧州2兆円、日本1.5兆円 2010年には世界全体で230兆円になるという予想もある[1]。
また、バイオ産業の拡大により、雇用が創出されることも見込まれている(2010年で100万人以上)[1]。
[編集] 種類
バイオテクノロジーは、
- 動物の細胞培養したもの(胚性幹細胞(ES細胞)など)
- 微生物を使用したもの
- 植物を使用したもの
などがある。微生物を使用したものは発酵分野で古くから研究されてきたが、植物を使用したものがコスト面等の優位から急速に進展してきている[2]
[編集] 株式等
株式市場では、2000年代初頭にはバイオベンチャー、バイオ関連株というだけで買われ、高値を更新する時期があった。ただし、その後は低迷し、バイオ関連株は注目されなくなった[3]。米国でも似たような状況だが、大和総研のレポートによれば、バイオベンチャーは米国市場では一度は衰えたものの、再び出てきているという。
「21世紀の米国株式市場は、バイオフィーバーで幕があいた。」
「その後はバイオベンチャーを含むハイテクバンチャーの株価低迷の影響を受け、バイオベンチャーのIPO数は2001年が7社、2002年は4社と激減してしまった。」
「2003年に入り、バイオベンチャー市場の相場が上向いてきたことから、再びバイオベンチャーのIPOが増えつつある。」
※「米国バイオベンチャーの最近の動向」(大和総研)より引用。IPOは、株式公開の略
[編集] 現状
再生医学(再生医療)は進歩しており、2007年には「羊膜バンク」が設立された。バイオ燃料、生分解性プラスチックも開発が進められており、実用化の動きもみられる。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
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