2900トン型潜水艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2900トン型潜水艦(2900がたせんすいかん)は、海上自衛隊が取得中の新型潜水艦。1番艦が平成16年度(2004年度)予算で建造される潜水艦(SS)であるため16SSとも呼ばれる。
目次 |
[編集] 概要
海上自衛隊初のAIP(Air-Independent Propulsion、非大気依存推進)潜水艦として、あさしおで2003年から試験をしてきたスウェーデンのコックムス社のスターリング機関(4V-275R MkII)の改良型である4V-275R MkIII(連続定格出力75kW、川崎重工でライセンス生産)を4基搭載し、低速時の水中持続力の大幅な増大を図ったのが本型の最大の特徴である。船体はおやしお型とおなじ“葉巻型”であるが、舵に水中運動性が高く舵損傷の危険の少ないX舵を採用したほか、上構にも吸音タイルを追加、セイル前面基部の流線形化がなされる。さらに、電動機の交流電動機化、非貫通型潜望鏡化(従来型と併用)、指揮管制支援ターミナル(C2T:Command and Control Terminal)の装備などの新機軸が採用されているが、ソナーシステムなどはおやしお型と同一である。また、機器類の小型化や省力化が図られ、AIP機関の追加にもかかわらず、おやしお型と比較して全長は2m、排水量が150t程度しか増加しておらず、乗員は5名減少している。
[編集] 要目
- 基準排水量:2,900t
- 水中排水量:4,200t
- 全長:84.0m
- 幅 :9.1m
- 喫水:8.5m
- 機関:ディーゼル機関x2,スターリング機関(川崎/コックムス4V-275R MkIII)x4,主電動機(交流同期電動機)x1
- 出力(水上/水中):8,000PS/3,900PS
- 速力(水上/水中):13kt/20kt
- 武装:533mm魚雷発射管x6
- 乗員:65名
- 深度:600m
[編集] 同型艦
- 8116号艦 平成16年度計画 平成17年3月31日起工、平成21年3月竣工予定 :建造三菱重工業神戸造船所
- 8117号艦 平成17年度計画 平成22年3月竣工予定 :建造川崎造船神戸工場
- 8118号艦 平成18年度計画 平成23年3月竣工予定
- 8119号艦 平成19年度計画 平成24年3月竣工予定