CRJ
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CRJ(Canadair Regional Jet、しーあーるじぇー)は、カナダ・ボンバルディア社が開発・発売している地方都市間輸送用ジェット旅客機(リージョナル・ジェット)のシリーズ名である。
シリーズ中には座席数に応じて、200型(50席)、700型(70席)、900型(90席)等のバリエーションが存在する。
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[編集] 概要
機体後部に集中装備された2発のジェットエンジンとT字尾翼を持つナローボディ旅客機である。 小さな機体に対応していない空港に乗り入れるため、機体に乗降用タラップ(機体前部左舷のドアと一体になっている)が内蔵されていることなどが大きな特徴である。客室は他社のリージョナルジェットと同様に、通路を挟んで2席ずつの座席配置となっている。
最初のタイプであるCRJ-100型は1989年に開発が開始しされ、1991年5月に初飛行を行った50席級ジェット機のパイオニアである。 ビジネスジェットであるCL600型をベースに胴体を延長する等の設計変更を施し、こういった経緯から、書類上はCL600型の派生型という扱いになっている。 また、700型、900型の開発、製造には日本の三菱重工業も参加している。 機体の開発が開始された時に,既にボンバルディア社はカナディア社を買収していたが、カナディア・リージョナル・ジェット (Canadair Regional Jet) の名称が付けられた。
2005年11月の時点で30以上の航空会社へ1,200機以上が引き渡されている。
日本における販売代理店は総合商社の双日がつとめている。 J-AIRが200型を9機保有し、名古屋空港を拠点として北海道、東北、九州、四国などの地方都市空港間の路線で使用している。また、IBEXエアラインズが、100型、200型を2機ずつ保有し、成田空港、伊丹空港を拠点として運用している。
[編集] 派生型
[編集] CRJ100/200
CRJ100はCRJシリーズの最初のモデル。50人乗りでゼネラル・エレクトリックのCF34-3A1エンジンを搭載する。 CRJ200はCRJ100のエンジンをゼネラル・エレクトリックのCF34-3B1に置き換えたタイプであり、胴体、翼などはCRJ100と変わらない。
[編集] CRJ700
胴体を延長した70席クラスの機体。初飛行は1999年で、2001年に市場に投入された。 初期型はゼネラル・エレクトリックのCF34-8C1エンジンを採用していたが、その後CF34-8C5に置き換えられた。 700型の主な競合機種はブラジルのエンブラエル社製のエンブラエル170である。
[編集] CRJ705/900
CRJ900は2003年に登場した90席クラスのタイプ。700型の胴体をさらに延長し翼も大型化した。エンジンは700後期型と同じCF34-8C5を使用。900型の主な競合機種はエンブラエル175である。
CRJ705はCRJ900の機体をベースにビジネスクラスを導入する代わりに、最大定員を75人にしたタイプである。900型と比較して主翼のウイングレットが改良されている。 エア・カナダの子会社であるエア・カナダJazzがローンチカスタマーとなり、2005年に登場した。 大手航空会社との競争下にあるリージョナル航空会社のサービス向上策の一つとして開発された。
[編集] 仕様
CRJ-100 | 200 | 700 | 900 | |
---|---|---|---|---|
全長 | 26.77m | 32.51m | 36.4m | |
全幅 | 21.21m | 23.24m | 24.85m | |
全高 | 6.22m | 7.57m | 7.51m | |
エンジン型式 | GE CF34-3A1 | GE CF34-3B1 | GE CF34-8C1 | GE CF34-8C5 |
エンジン出力 | 4,150kg | 4,177kg | 6.255kg | 6,532kg |
標準座席数 | 50 | 70 | 90 | |
初飛行 | 1991/5 | 1999/5 | 2001/10 |