DTSS
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DTSS(Dartmouth Time-Syaring System、ダートマス・タイムシェアリングシステム)は、世界で初めて成功裏に実装された大規模タイムシェアリングシステムである。その実装は1963年からダートマス大学で学生のチームによって開始された。指導教官はジョン・ケメニーとトーマス・カーツ。目的は大学のあらゆる人々に計算施設への簡単なアクセスを提供することであった。DTSSはGE-200シリーズコンピュータ上で動作した。
その目的のため、DTSSは使い易さを優先して設計された。
DTSSには世界初の統合開発環境が実装された。これはコマンドベースのシステムで以下のようなコマンドが実装されていた。
- NEW -- 新たなプログラムに名前を付け、プログラム作成を開始する
- OLD -- 以前に作成したプログラムを検索して取り出す
- LIST -- 現在のプログラムを表示する
- SAVE -- 現在のプログラムを保存する
- RUN -- 現在のプログラムを実行する
多くのユーザーはこれらのコマンドをダートマスBASIC言語の一部と思い込んでいたが、実際にはタイムシェアリングシステムの一部であり、ALGOLやFORTRANのプログラムをDTSS端末経由で使用する場合にもこれらのコマンドが使われたのである。
ユーザーが入力した先頭に行番号のある行はプログラムに追加され、もし以前に同じ行番号の行を入力していたら、それを置き換える。それ以外の入力行は即座にコンパイルされ実行される。行番号のみの入力は保存されないが、同じ行番号で入力済みの行があればそれを削除する効果がある。このような入力方法になっているのは、DTSSで使用された端末がテレタイプ端末だったからである。
2000年、DTSSシステムをシミュレータ上で再生するプロジェクトが行われ、Microsoft WindowsとMacintosh上でDTSSが利用可能となっている。
[編集] 外部リンク
いずれも英文