EzFlyer
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ezflyerは、SyQuestの発売していたリムーバブルハードディスクである。
SyQuestは、ハードディスクのディスク部をカートリッジに収め、ディスク部を着脱可能にしたリムーバブルハードディスクと呼ばれる製品の大手ベンダー。一般的なデータ保存方法がフロッピーしかなかった当時、メガバイト単位のデータが保存できる製品で、米国ではコンピュータ環境の入れ換えやバックアップ、大量のデータ(主にマルチメディア関係)の受け渡し用などとして広く普及していた。
ezflyerは、同社のリムーバブルハードディスク製品であるEZ135の後継機種として発売され、EZ135で不評であったさまざまな点が改良されている(後述の特徴を参照)。また、カートリッジは、3.5インチのハードディスクで、片面利用のディスク1枚使用、EZ135と同様の形式であった。ezflyer用の230MBディスクの他に、EZ135用の135MBのディスクが読み書き可能である。
発売当初は、つくりのよさ、性能面で高い評価を受けていたが、価格面でライバルの、Zipやスーパーディスクにかなわず、一般ユーザーへの普及度は低かった。その後SyQuestが業績悪化と同時に製品製造が遅れ、破産にしたがい製造は中止された。 SyQuestのサイトでは通販でサポート、メディアの販売のみ行われている。(ただし、年々発売品は減少している)
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[編集] 特徴
EZ135からの主な変更点は
- EZ135はディスクを入れて、その後ノブを動かし、ディスクを固定するのと同時にドライブも起動させていた。イジェクトは、イジェクトボタンを押すとディスクを固定していたノブのストッパーが外れるので、その後ノブを動かし、ディスクを取り出す。SyQuestの製品はほとんどこの形式を使っていたが、EZ135発売当時、この形式は操作性が悪く、時代遅れだとの意見が多かった。ezflyerは競合他社の製品と同じくスロットイン・オートイジェクトを採用した。
- EZ135および、SyQuestのほとんどの製品は外付けのドライブも、内蔵ドライブをそのまま外付けケースに入れただけで、デザイン上、あまり評判がよくなかった。ezflyerでは、外付けドライブの筐体を専用にデザインされたものにした。(日本ではグッドデザイン賞受賞)
この他にも、容量が135MBから、230MBに拡大されている。
[編集] 仕様
- 容量:230MB/1枚
- 最大データ転送速度:2.4MB/sec
- 平均シークタイム:13.5ms