Finale
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Finale(フィナーレ)は、アメリカ合衆国のCoda社(現MakeMusic)によって開発された楽譜作成ソフトウェア。初期はMacintoshのためのソフトウェアであり、後のバージョンでMac OSと呼ばれるようになるオペレーティングシステム上で動作していた。2006年に公開されたバージョン2006は、WindowsおよびMac OS X上で動作する。日本語化および日本への輸入、日本での販売はカメオインタラクティブによって行われている。
日本では実売価格5 - 6万円程度で、アマチュアからプロまで広く使用されている製品である。
2004以降のバージョンではより人間に近い再生が可能なヒューマンプレイバック機能 (Human Playback) を備えたソフトウェアシンセサイザーによるPCM形式での出力をサポートしている。また、MIDI機器からの入力や、MusicXML形式への出力も可能。
また2001のバージョンでMIDISCANという画像ファイル認識機能(OCRに似た機能)を搭載、2003でSmartScore Liteに名を変えた。2005以降のWindows版では直接イメージスキャナからの読み込みができるようになった。
一方、バージョン間の互換性が悪く、ファイルを保存したバージョンより古いバージョンで開けないのはもちろん、通常の方法では旧形式で保存することすらできない。新バージョンで開くことはできるが、新旧の組み合わせによってはレイアウトが狂うことがあった。
初期のバージョンから、従来のコンピュータを用いない方法で出版された楽譜と同じような楽譜イメージを出力することができるよう、プリントアウトの完成度の高さに重点が置かれていた。そのためか特に初期のバージョンにあっては、音符の入力にいくつもの方法が提供されている一方で、さまざまな編集操作において、Macintoshのソフトウェアには珍しく直感的でない操作を必要とする作業が多かった。また、1990年代半ばまでのバージョンではマルチバイト文字に対応しておらず、日本語の入力に特殊な操作を必要としていた。
[編集] バージョン履歴
- 1989年 Ver.1 Macintosh版
- 1991年 Ver.2
- 1994年 Ver.3.0 歌詞、テキストブロック以外で日本語の表示に対応
- 1995年 Ver.3.2 日本語版発売(漢字Talk7.1-Mac OS 8.1対応)
- 1996年 Ver.3.5 この小改訂バージョンの3.5.2が日本語環境における安定バージョンとなる(漢字Talk7.1-Mac OS 9.2.2対応)
- 1997年 Ver.3.7 Windows版(Windows 3.1, 95, 98対応、英語版)を日本で初めて発売。ただし、Macintosh版は日本では発売しなかった。
- 1998年 97 Macintosh版(日本語版)とWindows版(英語版)を日本で発売。
- 1999年 98 Windows版初の日本語版(Windows 95, 98, ME, 2000対応)
- 2000年 2000(Windows XPにも対応、ただし、XPではEPSファイル書き出し不可)(Mac OS 7.6.1-9.2.2対応)
- 2001年 2001(Mac OS 8.6-9.2.2対応)
- 2002年 2002
- 2003年 2003
- 2004年 2004 Mac OS X対応(Mac OS X 10.2以降、Mac OS 9.2.2対応)。Human PlaybackやSmartMusic Softsynthを搭載。
- 2005年 2005 Macintoshクラシック環境不対応(Mac OS X 10.2以降対応)。
- 2006年 2006 Windows XP SP2、Mac OS X 10.4完全対応。
[編集] 簡易バージョン
Finaleの簡易バージョンが提供されている。
- Finale Allegro - 簡易バージョンの中ではもっとも機能が高いものである。
- Finale PrintMusic - Finale Allegroより廉価なバージョン
- Finale SongWriter - ポピュラーソングに特化したバージョン(日本語版はない)
- Finale NotePad - Finaleファイルの閲覧を中心とした無料バージョン。無料でダウンロード可能である。簡単な編集も可能である。
[編集] 外部リンク
- MakeMusic社(英語)
- カメオインタラクティブWeb内製品情報(日本語版公式サイト)