GMC

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GMCユーコン

GMC (ジー・エム・シー)とは、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ（GM）の商用車ブランドのひとつであり、「General motors Comercial」の略とされる。

主として、トラックやバン、そのほかSUVなどの大型乗用車などを製造する。車種はひとつにとどまらず、複数の車種があり、日本では正規輸入されていないが、並行輸入車として販売されている。日本以外では、北アメリカはもちろん、西アジアなどでも売り出されている。車体の正面に赤字(それ以外の色もある)で"GMC"とかかれているのが、1番の見分け方でもあり、GMCの1番の特徴でもある。

[編集] 概要

GMCの起源は1901年まで遡る。自動車がまだまだ金持ちの道楽のイメージが強かった頃に、輸送力としての自動車の能力に目をつけたマックス・グラボースキーが、商用トラックの製造を目的として「ラピッド・モーター・バイシクル社」を設立。その目論見は当たり、鉄道に頼らない輸送力の一環としての自動車の普及に一役買うこととなる。

1909年にトラックの製造技術を欲したゼネラルモーターズによって同社は買収され、同社の傘下となる。また1911年には同じく商用車を製造していた「リライアンス・モーター・カー社」を買収し、ラピッド・モーターと合併、自社の部門として収益の強化を図る。これより以降、同部門はGMCとしてGM内のトラック・商用車部門を担うこととなる。

1912年にニューヨークオートショーで「GMCトラック」のプロトタイプを出品、その翌年に販売している。本格的な大衆商用車としてデビューしたが、当時は工業力が低かったこともありオーダーに対して常に台数が不足していたがそれでも同社の人気は衰えなかった。また同社はさらなる技術力のアピールに余念がなく、1916年にはGMCトラックで30日かけアメリカ大陸を横断、さらにその10年後の1926年には10年前のわずか1／6の日数で横断を達成している。

第二次世界大戦が勃発するとGMCはアメリカ陸軍にトラックを供給、その走破性の高さを持って同軍の輸送力の支えとなっていた。またこの頃に得られたノウハウをもって、トラックを様々な環境で運用する機会に恵まれたため、GMCは更なる技術の向上の機会を得た。大戦中にGMCの製造したトラックは約60万台ともいわれている。

戦後も商用車を中心に販売を続け、1960年代にはバスの製造にも参入している（その後バス製造事業は収益が悪化したために1987年にカナダの企業へ売却された）。やがてトラックの代名詞ともいえる存在にまでなったが、1970年代に「マック・トラック（現ボルボ・トラック傘下）」などの中小トラックメーカーが市場に台頭してくるようになると、販売網の脆さもあって徐々にシェアを奪われるようになり、大型トラックの販売は不振となっていく。ブランドの生き残り策として、同時期にシボレーなどで生産されていた乗用車（主にピックアップなど）をラインナップに加えるようになり、従来の商用車一本だった戦略をこの頃に転換させている。

その後も商用車部門は回復することがなく、ついにGMCは1989年に従来の基幹であった自社での大型トラック開発を止めてボルボ・トラックと業務提携を結び、北米市場での商用車展開はボルボ・トラック製品のバッジエンジニアリングで行うこととなり、GMCは創業時の思惑とは裏腹に乗用車ブランドとして変革することとなった（ボルボ・トラック製のモデルはホワイトGMCとして差別化されている）。

現在は乗用車、主にSUV、ピックアップトラック等を基幹とした販売を続けている。ラインナップは現在もシボレーなどのバッジエンジニアリングで構成されている。シボレーとの棲み分けは装備の充実、あるいは独自色を出すことにより差別化を図っている。

しかし近年ではSUV、ピックアップ全般が北米市場で販売不振であり、GMCもそれに漏れず業績は芳しくない。2007年にクロスオーバーSUVの「アカディア」をもって巻き返しを図ることとなる。