HSAB則
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HSABはHard and Soft Acids and Basesの略であり、HSAB則とは酸および塩基の相性を、硬い、軟らかい、という表現を使って表したものである。すなわち、硬い酸は硬い塩基と相性がよく、軟らかい酸は軟らかい塩基と相性がよいということである。ここで用いている酸、塩基と言う言葉はルイスの定義によるものであり、HSAB則は主に錯体中の金属(ルイス酸)と配位子(ルイス塩基)の相性に関して用いられる。
硬い酸とはサイズが小さく、価数の大きなものであり、正電荷が中心によっているイメージ。 軟らかい酸とはサイズが大きく、価数が小さいもので、正電荷が全体に広がっているイメージ。 同様に硬い塩基はサイズが小さく、分極しにくいもの。 軟らかい塩基はサイズが大きく、分極しやすいもの。
硬い酸の代表としては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、電荷の高い軽い金属イオンが挙げられ、軟らかい酸としては、重い遷移金属、低原子価金属イオンが挙げられる。
定量化する試みとしてはドラゴ-ウェイランドの式がある。
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