MLRS
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多連装ロケットシステム(たれんそうろけっとしすてむ、MLRS-Multiple Launch Rocket System)は、アメリカ陸軍が開発した長距離火力支援兵器である。主にMLRS(M270)と呼ばれる。
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[編集] 開発
冷戦下、戦車等の戦闘車輌の数で勝る旧ソ連等の東側諸国に対抗する為、長大な射程を有する火力支援兵器として開発を開始した。1971年にアメリカ陸軍が研究を始じめ、1976年に、ボーイング社やLTV社等の5社に対して開発提案が出され、1980年4月、LTV社の案が選定された。また、本開発計画にはイギリス、イタリア、西ドイツ、フランスが途中参入。
自走発射機はM2ブラッドリー歩兵戦闘車の車体をベースに開発され、車体前部には機関系と装甲を施したキャビンを、後部にロケット弾を6発ずつ収容するコンテナを2つ収めるボックス型旋回発射機が搭載されている。車体はアルミ合金製、NBC防護装置も完備している。
ロケット弾の発射間隔は約4.5秒で、全弾発射後はコンテナを入れ替えるだけで再び発射可能となる。コンテナの入れ替えは93秒で行える。また、このロケット弾の弾頭はクラスター爆弾のように空中で炸裂して大量の子爆弾をばら撒くもので、広範囲(約200m×100m)の兵力や車輌を無力化する能力を持つ。
1983年からアメリカ陸軍への配備が開始され、以降NATO各国へ配備が開始された。
[編集] 実戦投入
湾岸戦争において、米英軍が200両近くのMLRSを実戦に投入し、絶大な破壊力を見せ付けた。ロケット弾の一斉射撃をイラク軍は「鋼鉄の雨(スチール・レイン)」と恐れ、これが数多くのイラク軍兵士の投降に繋がったとされている。イラク戦争においても投入された。
[編集] 近代化
現在でも射撃管制装置等のシステムの近代化が進められており、一説には再装填時間が93秒から20秒以下に短縮されたとも言われている。また、GPSを搭載し、より正確な射撃が可能な弾頭の開発も進められている。
[編集] 自衛隊での運用
日本では、1992年から日産自動車がライセンス生産を行ない、陸上自衛隊の野戦特科大隊に配備が進められている。長大な射程が売りのMLRSであるが、日本国内にその射程を充分に発揮できる演習場がない為、アメリカのワシントン州にあるアメリカ陸軍のヤキマ演習場に90式戦車などと共に車両を持ち込み演習を行っている。
なお、MLRSを狭い日本列島でどのように運用するのかという意見がある。防衛省では、「日本に侵攻するには上陸作戦を実施せねばならず、侵攻部隊は洋上において航空自衛隊、及び海上自衛隊が迎え撃ち、これを阻止する」と考え、敵侵攻部隊による日本本土への上陸作戦=最終防衛線としている。その為、本車輌は敵が上陸作戦を実施している浜辺へ、山陰等から一斉射撃を行ないこれを制圧するものとされている。
[編集] 諸元・性能
全長 | 約6.97m |
全幅 | 約2.97m |
全高 | 約2.6m |
全備重量 | 約24t |
乗員 | 3名 |
最大速度 | 64km/h |
武装 | 12連装227mmロケット弾発射機×1 |
使用弾頭 | M26 227mmロケット弾(全長約3.94m 重量約308kg 弾頭重量159kg 最大射程32km) M26A1 227mmロケット弾(射程が45kmに延長) ATACMS地対地ミサイル(全長3.97m 直径約0.61m 重量約1,670kg 弾頭重量約561kg 最大射程約165km) |
[編集] 登場作品
- 事故で中隊ごと1547年へ飛ばされ、直後に合戦に巻き込まれる。
- ゴジラ×メカゴジラ :実物が日本映画初登場。
- クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦
- ガルフ・ウォー
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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