Pro Wrestling Crusaders
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Pro Wrestling Crusaders(プロ・レスリング・クルセイダース)は日本のプロレス団体。ジョージ高野・高野俊二(現高野拳磁)の兄弟を中心に設立された。略称は『PWC』。
[編集] 概要
SWS崩壊後、所属していた選手がWARとNOWに分かれた際、NOWに移籍したジョージ高野と高野俊二(現・高野拳磁)が、団体内の問題から再び離脱し(SWS時代の『道場・檄』の所属選手が中心となったNOWの体制に、反発したとも言われている)、設立された団体。旗揚げは1993年2月13日、愛知県の東海市民体育館にて行われた。
所属選手は高野兄弟の他に、元W★INGプロモーションの戸井マサル・島田宏、旧W★ING出身の保坂秀樹(PWC出場時のリングネームは弁慶)、覆面レスラー牛若丸、当時新人だった黒田哲広・渡辺幸正(現セッド・ジニアス)。他はフリーランスの選手を起用し、外国人レスラーに関しても、兄弟がカナダへ武者修行していた際に世話になったミスター・ヒトのルートで、国際プロレス出身の稲妻二郎を始めとするカナダ勢のレスラーをブッキングし、陣容を整える。
当初はフリーとして参加した高木功(現・嵐)と高野拳磁の抗争をメインに興行を行う。しかし、SWSの崩壊に際してスポンサーだったメガネスーパーは、WARとNOWには1年間の資金援助を約束したが、NOWを離脱した高野兄弟には資金援助はしなかったため、経営地盤が脆弱だった。加えて、代表である俊二の経営のアバウトさにより、すぐに資金難となった事により、高木が離脱し、一気にヒールが手薄になってしまう。加えて資金を捻出していたとされるジョージが団体を離脱、さらに道場に置いてあったリングも盗難に遭う(借金のかたに持っていかれたとも言われるが、詳しい事は不明)など苦難が続き、さらに選手の離脱も起き、最終的には高野拳磁の個人プロダクション的な団体となってしまう。
将軍KYワカマツが宇宙パワー軍団(当初は鶴見五郎、後に木村浩一郎が扮していた)を率いて参戦し、奇天烈な試合内容と、ファンの「野良犬、野良犬!」のコールの中、高野が手錠をかけられワカマツに街中を引きずり回されるなどのハチャメチャなパフォーマンスで一部マニアを惹きつけるものの(この頃の有名なファンとして杉作J太郎がいる)、事態は好転せず、再び選手の離脱が起きて活動を停止する。
その後、高野は西日本プロレスに参画するも、わずか1試合で電撃離脱し、「まーた飛び出しちゃったよーだ、九州!」のセリフとともにPWCを復興。その時に新弟子も募集し、三上恭平(現MIKAMI)や野沢一茂(現NOSAWA論外)等の新戦力がようやく誕生、その後高木三四郎がIWA格闘志塾から移籍し、フリーとして後の菊タローらが参戦した等もあり、持ち直したかと思われた。しかしまたも所属選手が一斉に離脱。これでとどめをさされた形となり、以後PWCは開店休業状態となる。
現在、PWCの名称は存在しているが、唯一の所属選手である高野拳磁がセミリタイア状態となっている為、実体は無い。